ついに来た!

京都駅ビル。
中国からの観光客が多いです。
ガイドの中国語が響いています。
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四国の桜。
去年の春です。
あ、写真まあいい感じ。
初めて携帯から写真を送ってみました。
画質は良くないですが。
ん、写真は私が実態のない私ではなく、
ちょっとここに生きてるって感じがするでしょう?
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主婦にだって秘密はある。
むしろ独身女性よりも秘密を抱えている割合は高いかも
しれない。
これは私の憶測であるが。
主婦は主婦ゆえに人には言ってはならないことがある。
例えば、昔の彼氏の話。
これも余程気をつけておかないと
とんでもないことになってしまう場合がある。
言葉はまず、絶対に選ばなければならない。
相手もしかりである。
誰でもかれでも信じて、なんでもしゃべってしまうのは
むしろ愚かな行為で・・・
それもお口チャックが重要である。
子供のいる場合は「誰々ちゃんのお母さん」として見られる。
この場合も、注意が必要で、
余計なことを言ってはいけない。
よその子どもを叱る場合も要注意。
迂闊に自分の子どもと同じように叱ってしまっては
後でひどい目に遭うことだってあるのだ。
だから、何が秘密かと言われれば困るのであるが
全てが秘密・・・でもあるし、
全ては軽く受け流し
嫌なことは目をつぶって「無視」を決め込まなければならない場合もある。
ああ、怖い。主婦の世界。
特に家を買ってしまった場合は、
トラブルは絶対に避けなければならないし、
ものすごい忍耐が必要になってくる。
私は常にちょっと「おバカさん」になっている。
それが一番だからである。
おバカさんなら人に馬鹿にされても、妬まれる事はない。
言わばこれも一つの秘密か。
本当はおバカさんではない?
いや、そんなことはない。
やはりおバカさんである。
それで十分なのだ。
ところである日の午後、うちに電話がかかって来た。
それは中学時代の友人の真由からだった。
真由とは今でも時々電話で話をする。
「はい。藤川でございます。」
「あ、綾・・・私・・・・わかる?」
「あ、真由?わかるよ~。」
「なによー相変わらず、ございますなんて気取ちゃって・・・。」
「別に・・・気取ってないよ~。ただ、いろんな電話がかかってくるから
丁寧に言ってるだけだよ。」
「そっかーー?ああ、ところでね・・・ちょっと時間いい?
話したいことがあるんだあ。」
「うん・・・いいよ。幼稚園のお迎えは2時やから・・・。」
今日は電話が長くなりそうな予感。
真由は話し始めた。
「あ・・・あのさあ・・・私、好きな人が出来た。」
「うん・・・それはいいやん。それで・・・どんな人?」
「それがね、奥さんと子どもがいるねん・・・。」
「あーーーー、そっかあ・・・・。」
私は言葉に詰まってしまった。
妻子がいる人を好きになってしまったということなのね。
うーーーん・・・・なんて言えばいいのかな・・・・・。
「綾・・・・不倫なんってって思ってるでしょう?
でもね、彼とっても優しいんだ。
私の話なんでも聞いてくれるし。」
「う、うん・・・・。」
明らかにトーンダウンしている自分がいる。
ただ、真由の話を聞いてあげるくらいしか、自分に出来ることはなさそうである。
不用意にアドバイスとか、適当なことは言えないし
言うべきでもないだろう。
だって、もし自分が奥さんの立場なら、だんなに好きな人が出来ているわけだし。
私は、もしだんなが浮気をするなら、絶対に私が気付かないようにして欲しい。
どんなに些細なことでも・・・・絶対に気付かないようにして欲しい。
そう思っている。
まあ、うちの場合は遊びで人と付き合えるような器用な
ことは出来そうもなく、
もし誰かを好きになってしまったら「本気」以外にないから
私たちは別れるしかなさそうである。
それが結婚する時に話し合ったことだった。
真由の話は延々と続く。
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昨日までの雨は少し止んで、時折晴れ間も見えた。
今日はママ友のメイちゃんちにお邪魔することになっていた。
もう一人のママ友のアイちゃんに車に乗せてもらい、
メイちゃんの家に着く。
メイちゃんの家はいつも綺麗に片付いていた。
「ごめん、ごめん・・・おそなって。」
「うんにゃ・・・ええでぇ。」
メイちゃんはいつもの通り気さくに答える。
「綾ちゃん、風邪はもうええのん?」
「ん、ありがと。もう元気、元気。」
観葉植物のある落ち着いた感じのリビングに入る。
リビングには先に着いていたもう一人のママ友の
マリちゃんがいた。
「マリちゃん、今日のお話会はどうやったん?」
「うん・・・まあまあ・・・よかったよ~。」
幼稚園でのお話会を終えたマリちゃんは答えた・・・。
今日は主婦4人でお昼を食べる約束だった。
私は風邪を引いて以来、健康に対する意識が少し変わり、
「玄米・菜食」に食事を変えようかと考えていたところなので、
ご飯に紫黒米という玄米を混ぜたものを炊いてきた。
味はまあまあ・・・美味しいと思う。
世の男性はわからないけれど、女性は結構雑穀米を
好むと思う。
「これなんやけど・・・気に入ってもらえるといいなあ。」
私はテーブルの上に、お重に入れた二段分のご飯を置いた。
「わあ。美味しそうやん・・・。」みんな気を使ってか、
そう言って見てくれる。
こんな時、私は友達に恵まれているなあと思うのだった。
これからおいおい話をすることは出来ると思うが・・・
世の中には色々な人がいるものだ。
それは当たり前のことだと思うが・・・
世の中には本当に信じられないような意地悪な人もいる。
気の強い人もいるし、
わからずやの人もいる。
孤独を抱えながら、子育てしている人もいるし・・・
でも、今の私は最高に素敵な友達に恵まれている。
みんな・・・それぞれに悩みや事情を抱えながら、
それでもちゃんと話を聞いてくれる。
こっちもちゃんと話を聞く。
秘密は守る。
余計なことは言わない。
だからこそ、信頼関係を保てるのだ。
大人になってから出来た友達ではあるけれど、
この人達の前では本音を語っても大丈夫。
多少の失敗も愛嬌で、笑ってくれる。
誰かが毒を吐いても、それを流してくれる。
世の中には様々な人がいる。
だから、もう少し大人にならなければいけない場合もある。
相手に合わせる場合も大切。
それも、大人になってからようやくわかったことだった。
それでも、まだまだ自分は甘いし、
気も弱い。
うじうじちゃんのくせに・・・八方美人である。
いや、うじうじちゃんだからこそ、みんなに良く思われようとして、
八方美人になるのかもしれない。
でも、みんなに好かれるのなんて無理な話。
だから、せめて誠実でいたいと思っている。
☆
私たちはこの辺りの美味しいケーキ屋さんの話をしたり、
今度のランチは某大学の学食に行こうととか・・・
温泉に行きたいとか・・・
だんなさんの悪口???とか・・・
さまざまな話に花を咲かせた。
主婦が集まれば、話は尽きない。
まだまだ・・・話したいことはいくらでもあった。
お昼の楽しい時間はいつもすぐに終わってしまう。
あっと言う間にまた幼稚園のお迎えの時間になった。
私たちは、幼稚園に向かった。
ただ、私はみんなには言っていない・・・
ある秘密を心の中に抱えていた。
(この物語はフィクションです)
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またちょっと書きます。
ここからは主婦の話になります。
うふふふ・・・・お楽しみに。
もし、私の話を読んで笑ってくださったり、
ビックリしてくださったり、
まあ、切なくはならないかもしれないけど、
何かを感じて下さったなら、
幸いです。
コメントはいつも大変励みになり、
感謝しています。
これからもどうぞよろしくお願いします!!
注意;「グレープシードオイル」っていうなんやら長い名前なんですけど、
これはオール・フィクションです。
まあ、私の妄想ですね!?
だったらすっげーーー妄想家!?なんですけどね・・・
所々に、スパイスをぱらぱらと入れて.。
とにかくフィクションです。
そういうのは一体どこに書いておいたらいいんだろう?
あんまりリアルに書くと・・・いや、リアルに書けるかどうかは
わからないけど、もしそうなったとして、
私のこと、心配とかされたら、申し訳ないので。
大丈夫ですよーーーー。
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元々、物語を書きたくて始めたこのブログですが・・・
今私は大きなスランプです。多分。
書けない。
綾の高校時代から学生時代までを書いたのはいいんですが
今は何も書けない状態です。
これをスランプと言うのでしょうか??
自分にとって、物語を書くというのはある程度
自分の内にこもって、集中すればいいのですが・・・
今は外の世界が忙しいのか・・・
書けません。
なんか日常生活に振り回されているような気もします・・・。
これから書きたいなと思っている話は、
何分またまた長編になりそうなので・・・・
書き出すのが少し億劫です。
特に私のように、行き当たりばったり・・・
創作ノートも作らずに書いている人間は。
ちゃんとノート作りますか。
でもなあ・・・こまごまとしたことで悩んじゃうんです。
やっぱうじうじちゃんですね。
うーーーむ・・・・
もうちょっと考えます。
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自分の大好きな場所の一つに京都駅ビルがあります。
この空中経路が大好きで・・・・
人のあまりいない時は一人になれることもあります。
最近はあまり行ってないのですが・・・
また行きたいなと思っている今日この頃です。
なんで好きかって言うと・・・なんでかなあ。
空に少し近いからかな。
人ごみはあまり好きではないんですけど、
大きな広い場所で・・・ふと誰もいなかったりするのが好きなのかな。
そして、そこで何をするでもなく・・・
ただぼーーーーっとしてるんですけど(笑)
ちょっと怪しい人ですよね・・・。
そうそう、そう言えば昨日ですが・・・
あの瀬戸内海の小さな入り江を裸で泳いだっていう話・・・・
なんとその一緒に泳いだ伝説の従姉妹から
突然電話をもらいました。ものすごく久しぶりに。
(ビックリしたあ。)
ここに書いたことがばれたのかと・・・。
用事は・・・・違いました・・・。
彼女もブログを開設したいそうで、
そのやり方が全くわからないので教えて欲しいとのこと・・・。
無料で開設できる所もいくつもあるので、
どこの会社を薦めようかと思ったのですが、
ココログを薦めました。
まあ、いくつか理由はあるのですが、
ここはニフティがやってるので、
素人としてはちょっと安心。
私はパソコンのことはほとんどわからないので・・・
それくらいの・・・・笑われそうな理由なんですが、
後はデザインが可愛くて、色々選べて、
諸々の操作が簡単っていうのもあります。
すぐに反映されますよね。
もう一つ、4年ほど前から開設しているブログがあるのですが、
そちらの会社は以前ちょっと問題があった会社で、
やはりいまいちかなあという感じが
細かいところで出てくるんですね。
まだ続けてがいるのですが全く盛り上がらないです。
残念ながら。
今、自分はここが充実していて
本当に喜んでいます。
それも、コメントを下さる方がおられるからであり、
いつもとても楽しく読ませて頂いております。
(あれ?なんかめっちゃ改まってる・・・・)
ありがとうございます!
京都駅の話から、ちょっと外れてしまいましたが、
この機会を借りてお礼を言わせて頂きました。
まあ、こんなかなり怪しい私ですが
これからもどうぞよろしくお願いします。
コメントも大歓迎です!!
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その女は香水の香りがきつかった。
なんの香水かはわからなかったけれど・・・
半径1メートル以内には近づけない状況だった。
「窒息しそう・・・・」誰かが言った。
香水はなんのためにつけるのか?
自分をアピールするため?
もし、そうならつけすぎるのは逆効果でしょ・・・。
そう思って、彼女を見るともうかなり先まで歩いて行っていた。
だのに、香水の香りが風に乗って
ずっとずっと漂ってきていた。
☆
自分にも同じような経験がある。
少しだけつけるはずが、たくさん出てしまった。
その日は友達のエレクトーンの初めてのコンサートだった。
「しまったぁ・・・」と思ったがそんなのは後の祭り。
それから、水で洗ったりしたが・・・・アルコール。
落ちない。
その時はシャネルの「アリュール」という香水だった。
シャネルのものは総じて、香りがはっきりしていて、
言葉を変えれば、少しきついような気がする。
・・・・・日本人は世界の中でも最も体臭の少ない民族である・・・・・
「だから日本人は香水なんかつけなくていいんだ。」
昔、何かの先生が話していた。
歴史の授業か。
香水にも壮絶な歴史があったのである。
もともとは臭さを香りでごまかすためのものだったと聞いた。
そう・・・香水をわざわざつける必要などないかもしれない。
けれど、時々とても香水が欲しくなる。
それはあの、香水の瓶の形があまりにも魅惑的で、
その小宇宙に魅せられて、
好奇心を押さえることが出来なくなってしまうからかもしれない。
多くの場合、その好奇心は失敗だったと気付く。
中身の香りは自分のイメージではないから。
☆
美学。
香水は人とすれ違う時にふわりと
気付くか、気付かれないか・・・・
ほのかに香るくらいがベスト。
そう言えば、ずっとなんの香りかはわからないが、
その香りがふんわりと漂っている時に
気になって仕方のない香りがある。
どんな人がつけていたのかもわからない。
ただ、優しく・・・・優雅に・・・・残っている。
ほのかに
さわやかで甘くて・・・・
羽のように軽い・・・・
そんな香り。
未だにそれがなんの香りなのかはわからないが
その香りの正体を探し求めている。
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今日は以前私が考えたとてもとても短い言葉をご紹介します。
☆
「一瞬の中の永遠」=写真
私は子どもの頃から写真にとても興味のある子どもでした。
実家の二階にある古いたんすの上から2段目が写真入れでした。
明治・大正・昭和と自分のご先祖様や祖父や祖母、伯父、伯母たちの
色々な写真が全部そこに納められていました。
うちの父が家を継いだ形になったので、
たくさんの写真が方々から送られてきたものと思われます。
実家は築100年以上のこれまたとても古い建物だったので、
10年ほど前に建て替えました。
あの写真たちは多分、塵になって・・・空に上ったことでしょう・・・・。
それはさておき、小さい頃から写真を見るのが好きだったこともあり、
大きくなってからは自分でもずいぶん写真を撮りました。
しかし、残念なことに本当に自分の心に「ピンッ」とくる
写真は・・・・何百枚に一枚あるか無いかです。
私が特に好きなのは「窓」の写真。
そこに光を感じられる写真が好きです。それはまるで
一瞬を切り取ったのに、永遠の時が流れているようだから・・・・・。
今までに貧乏旅行(バックパッカー)で幾度か海外に行きました。
中でも中国では窓の写真を色々撮りました。
ここに載せる技術が無いのが残念ですが、
このときの窓シリーズは自分でも気に入っています。
これは余談ですが、後もう一つ。
撮るのが好きなのはトイレの写真です。
変わってるかな?
でもこれもかなり面白い写真が撮れるんですよ・・・・・。
便器を比べても面白いですし。
座る真似をするのもおかしいでしょ?(服はもちろん着たままですが)
京都の円山公園にある、公衆トイレの案内の立て看板の前でも
よくふざけて撮りましたっけ。
☆
次の語録・・・これで最後です。
「緩やかな傾斜」
これは夏休みに従姉妹と自転車で坂道を二人乗りして
下っていた時に思った言葉です。当時15歳です。
すごいスピードで駆け抜けてく夏・・・・
でも、お盆の頃の夏の終わりの寂しさ・・・・
夏の終わりと坂道をかけて多分そう言ったのかな。
数年後にいとこから「あの時緩やかな傾斜って言ってたよ。」と
言われました。印象に残ってるって。
私は瀬戸内海の海に小さい頃から慣れ親しんできました。
特に夏休みはいつも、岡山の玉野のいとこの家に行きました。
毎日、毎日海に行って真っ黒になって・・・。
でも夏も海も大好きだから全然飽きない。
そして、ここには地元の人しか知らない小さな浜辺があるんですよ。
本当にプライベートビーチなのかというような小さな浜辺が。
その浜辺に行くのに、その坂道を通るんです。
あまり人の来ない浜辺なので、一度だけ女の子3人、
水着を脱いで素っ裸で泳ぎました。
夕方のキラキラ光る海ですよ。
まるで人魚になったみたいに気持ちよかったです。
後で考えたら、なんて大胆なことしたんだろう思うけど。
その時の証拠写真が一枚だけ残っていて、
3人とも密かに持ってるはずなんだけど(笑)
水着を片手に高く上げて、写真を撮ってるんですね。
でも、大胆なことをしても、小心者の私ですので・・・
もし誰かに見られたら大変と・・・・すぐに水着は着たはずです。
以上・・・どうでもよい「そら語録」でした。
なんとなく、書きたくなって。
きっと誰の心にも夏の思い出ってあるんちゃうかなあ・・・。
夏って特別じゃないですか?
それにすっごいスピードで駆け抜けて、すぐに終わってしまうから。
ああ、瀬戸内海は水がちょっと緑っぽい気がします。
全然透明じゃないんです。
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人間の心の中にはいつも「迷い」というものがあると思う。
でも、自分は行動を起こそうかどうか迷っているのなら
起こす方が良いと常々考えている。
☆
今、自分は一つだけ迷っていることがある。
それを、正直にここに書いていいものかどうかもためらわれる。
人に迷惑がかからないのなら良いが・・・・
昔から「人に迷惑をかけなさんな」と言われて育ってきたので、
人に迷惑をかけることにはことのほか敏感になってしまう。
そもそも迷惑とは何ぞや。
人を困らせることか・・・・惑わせることか。
迷わせることか。
いや、迷惑と言っても、それは自分が一人でそう思っているだけで、
相手は迷惑とは取らないかもしれないではないか。
ああ、でも・・・・
やはり迷う。
迷って、結局また結論を先送りにしてしまうのである。
いっそ、この場で何をそんなに迷っているのか
告白してしまう方が楽になれよう。
でも・・・・
それも出来にくい。
だから余計に迷うのである。
☆
今の自分の立場や状況を考えた時、
自分に何が出来よう。
いや・・・・何も出来ない。
でも・・・・ただ自分も応援していることを伝えたい。
ただそれだけなのに・・・。
これまた相手にとって負担になると思えば・・・・。
相手のことを思うと、何も言えなくなってしまう。
それは、相手のことを考えすぎるからで
考えすぎなければ・・・・
もっとさらりと行動に移せるのなら
こんなに迷いはしないのに・・・と思う。
こうやって、頭の中で堂々巡りは繰り返され、
結局、なんの結論も出ないまま
また自分は同じことを考えては悶々とするのである。
さあ、これを読んだあなた・・・・若い人の言葉を借りてくるなら
「ちょっとイラっとした?」
もし、イラっとしてくれたら、それでこの話は成功です。
世の中にいる、自分も含めて「うじうじちゃん・うじうじくん」
そう、物事を考えすぎる人というのは
恐らくこういう考えをずっとめぐらせているのです。
迷って
迷って
いつか答えは見つかるのか?
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気ぃが付くと・・・もう春もちこうなりましたなあ。
夕方に頬をなでる風はなんか・・・こう・・・
ちょっと温かちゃいますか?
でも・・・もう真夜中。
ふと耳を澄ませば雨音が聞こえてきます。
あんたはん、雨音はお好きですか?
え?うち・・・?
うちは雨が好きです。
春先のやわらかい雨もええけど・・・
冬の寂しい雨も好き。
朝の雨もええけど・・・・真夜中の雨もええなあ・・・。
なんか、雨の日は
自分も雨粒になって、好きな人のところに
飛んで行けそうな気ぃがしませんかぁ・・・・?
今頃何をして、
何を見て、
誰と何をしてはるんやろう・・・・って思たりして・・・
(つまらん、つまらん・・・・何これ・・・つまんなーーーい)
☆
綾子は本を閉じた。
友人に一度読んでみて欲しいと言われて、
読み出した本だったがつまらな過ぎた・・・。
もう真夜中である。
もうそろそろ寝なければ・・・明日に差し支えるだろう。
そう思いつつ、寝室のベッドに横たわっているのだが
雨音のせいでなかなか寝付かれない。
綾子はふと・・・・ベッドから起き上がると、
今はほとんど開けたことのない引出しの奥から
一通の手紙を取り出した。
古びた封筒には自分の旧姓が書かれていた。
綾子は一人ベッドに腰をかけ、
中身をそっと取り出した。
懐かしい文字が見える。
自然と笑みがこぼれた・・・・・。
「君の声が無性に聞きたくなり・・・
でも電話をかける勇気もなく・・・
ここにペンを執りました。
君は元気ですか?
今、何をしていますか?
時折、君の声が懐かしく
僕の耳に響いてきます。
君に会いたい。
会いたいです。」
綾子はそっとそれをパジャマの胸元にそっと当てて・・・
目を閉じる。
そうすると、昔の日が甦ってくるようだった。
あんなに誰かを好きになって、
何もかも放り出して・・・
自由に笑い、
泣き・・・・愛して・・・・
食べて、飲んで・・・・・
転げまわって・・・・
そんな日がまた来ることがあるだろうか。
いや・・・それはない。
そんなことは綾子にもわかっていたし
あれが若さからくる・・・奔放さだということもわかっていた。
ただ、何かの拍子にふとスイッチが入り、
その手紙を取り出してしまうのである。
綾子はそっと手紙を封筒に戻すと、
また机の引出しの奥にそっとしまいこんだ。
夫は知らないだろう。
手紙の存在も・・・。
綾子の行動も。
それは彼女の秘密だから。
雨音はまだ彼女の耳に届いている。
それでも、彼女は明日の子どもの弁当のために眠る。
眠たくはないけれど・・・そのうち深い眠りに落ちてゆけるだろう。
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正しい日付は忘れてしまったが、ブログの下に何気なく表示される
スポンサーリンクの中に、京都のホテルというのがあり、
その名前をよく見てみると・・・・なんと
それは五条の昔バイトしていたホテルだった。
つまり・・・・この物語中の「谷さんの働いていた」ホテルだったのだ。
懐かしい名前だなあと思って、ちょっとクリックすると・・・
超現代風の・・・極楽なんとか・・・に生まれ変わっていた。
私がちょっとバイトさせてもらった頃の、おんぼろ(失礼)ホテル
とは全く違っていた。
おんぼろはおんぼろで風情があってよかったのになあ・・・。
でも、五条にはまだその名前が残っていたのだ。
自分の青春が確かにそこに存在した証のようで
嬉しかった。
いつか、その五条のホテルにこっそり一人で泊まって、
そこからこの記事をアップしてみたい。
写真もこっそり載せたりして。
でも、京都に泊まりに行ってもなあ・・・
私にとって、京都は泊まりに行くところではないんですよね。
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小雪の舞う日の午後・・・
タクシーに電話をかけ、
子ども達に留守番をさせ
私は病院に急いだ。
そこは救急もある、この辺りでは大きい病院である。
吉沢先生に頂いた薬も底をついたし、
自己判断で胃薬を飲まなかったために、
胃もおかしくなってしまった。
もう2日間、水分しか摂っていない。
頭は痛いし、
まともに歩けない。
もう、そこに行くしかないと思ったのである。
タクシーが滑るように病院の入り口に着いた。
表の大きな自動ドアに映る情けない自分の姿を見ながら、
ふらふらと、中に吸い込まれていく。
受付で名前を告げ、
誰もいない廊下に通された。
待合の廊下の一番奥に
車椅子に乗った老人が一人うなだれている。
☆
「藤川さん・・・5番の診察室にどうぞ・・」
ふいに、マイクから自分の名前が呼ばれた。
よろよろと立ち上がり、診察室に入る。
思ったよりもお年を召した先生だった。
「今日はどうされました?」いつものお決まりの質問から始まる。
今の医者はみんなパソコンに入力しながら診察する。
喉を見せて、
今度は服を上にあげて、
心臓の音を聞く。
後ろを向いて背中の音を聞く。
先生は何も言わない・・・・。
ん?肺炎になりかけてないの?
気管支炎とか・・・。
先生は何も言わず、
パソコンに何か打っている。
「あのぅ・・・頭が痛いんですけど・・・」
「ああ、風邪ですね。お薬を出しておきましょうね」
「はい・・・・」
「それから・・・・小さい点滴をしましょう。
一時間くらいで終わります。
その方が楽になるでしょうから・・・・。」
先生は何事もなかったように、パソコンに薬の名前を
入力し、私には外の待合でもう一度待つように言った。
もう一度よろよろと立ち上がり・・・
ソファに腰を下ろした。
点滴・・・・1時間・・・・・
長いな。
トイレに行っておこう・・・・。
時計を見ると、5時過ぎだった。
雪のせいもあり、外は陰気臭い。
山の上ならなおさらのことだった。
自分の体調の悪さもあってか、ここの景色はひどく
つまらないものに思えた。
トイレの鏡には土気色をした・・・・疲れた自分の顔があった。
☆
待合に戻ると、自分の名前が呼ばれた。
一番奥のベッドに横たわるように言われた。
真っ白いベッド。
真っ白い布団・・・・
年齢は自分とそんなに変わらないだろう・・・・
声がめちゃくちゃ可愛い看護士さんだった。
「すみません。小児科に呼ばれてるからちょっとだけ
横になって待っててもらえませんか?」
「はい・・・」
靴を脱いで、真っ白なベッドに横たわる。
病院のベッドなど何年ぶりだろう・・・・。
学校の保健室と重なる。
しかし、夕方の職員の入れ替わり時間ということもあり、
小児科は特に人手が足りないのだろう・・・。
上の方からは子どもの泣き声が派手に聞こえてくるが
自分が寝ている場所は取り残されたように、
静かだった。
時折、スリッパで廊下を走るような音の他は
何も聞こえない。
目を閉じる。
でも、頭痛で・・・・遠くがぼやけたガラス玉のような気分で
眠ることは出来ない。
壁にかかった時計を見る。
幾度となく見る。
「すみませんねえ・・・遅くなって。お待たせしました。
では点滴しますね。」
さっきの看護士さんが戻って来て、
注射の針を刺すと言う・・・・。
「親指を握って、ちょっとちくっとしますけど・・・。」
今までに幾度となく聞いてきた同じセリフを聞く。
(出来れば一回でいってくれ)
(やっぱり・・・・)
(ダメだったようだ)
それは看護士さんの残念そうな様子からもわかった。
血管に上手く針が入らなかったようである。
「ごめんなさいねえ・・・・。ちょっと上手くいきませんでした・・・・。
今度はそっちの手を出してもらえますか?」
「はい・・・・。」
左手を出す。
(今度こそがんばってくれ)
チク。
沈黙。
「ああ、よかった・・・入りました。」
可愛い声の看護士さんのほっとしたような声で
上手くいったのだとわかった。
自分は、今まで何度も注射の針が上手く入らなかったことがある。
所謂、「看護士泣かせの腕」なのだそうだ。
まあ、簡単に言えば血管が見えにくい、もしくは出にくいのだ。
今まで、人生において何度か注射を受けざるを得ない場合というものがあった。
そんな中でも、一番上手だった・・・
注射の針がスパッと、全く痛みを感じることなく・・・・
一発で決まった・・・・
と言えるのは、やはり・・・かの吉沢先生だった。
献血センターのベテラン看護士さんも上手かった。
・・・・・・1時間の点滴を受けながら
そんなことを考えていた。
家では今・・・・どうなっているだろう?
子ども達に頼んでおいた・・・・
晩御飯のコロッケは買えたのだろうか?
晩御飯にコロッケ。
しかも、近所のスーパーの・・・となると、
情けないような申し訳ないような気持ちでいっぱいになるが
自分が病気の時は致し方ない。
一向に減らない点滴を見ながら思う。
でも、もしこの点滴が間違って違う薬だったりしたら、
自分はここで死んでしまうのかな・・・・。
もうこの世とはさよならなのかな・・・・などと思ったりもした。
しばらく、ふわふわしていたら、点滴の液が終わった。
言われていたように、ナースコールする。
エリーゼのために・・・が延々と流れるが誰も来ない。
(まあ、ええか・・・血管に空気さえ入らなければ・・・・)
と思っていると、さっきとは別の看護士さんが来た。
マスクをした・・・パーマ頭の40代くらいの人だった。
「ごめんなさいね・・遅くなりました・・・忘れてたわけじゃないのよ・・・。」
と言いつつ、血管から針を抜く。
看護士の勤務が交替になったことも告げられた。
「楽になりましたか?」
と聞かれたが・・・・
すぐにはわからなかった。
おそる、おそるベッドから降りてみた・・・・。
まだ頭痛はするが、さっきよりは元気になった気がした。
何が元気かはわからないが、ほんの少し力が出るような気がした。
会計のところに行くと、めがねをかけた大柄な男性が出てきた。
薬局はどこに行くかと聞かれた。
「すぐ隣は?」と聞くと、
6時で閉まったと言う。時計はその時6時10分だった。
しかも私は見逃さなかった・・・・・
彼の表情の中に・・・・
ほんの少し・・・・エス的な
(お気の毒様・・・でもざまあ見ろ・・・)みたいな・・・・・
笑いが見られた。
☆
どうしようもない。
ここからまたタクシーで最寄の駅まで行き、
駅前の薬局で薬をもらい・・・・
JRで家に帰るしかない。
それしかなかった。
憎たらしくも受付のめがねの大男は、
もう一軒ならどこそこの・・・・と
もっと無理な薬局を言う。
「そこは無理ーーーーーっ。」と可愛くもないのに、
ちょっとikkoさんぽく答えてみた。
公衆電話からタクシーに電話をかける。
またこれが、愛想のないおっちゃんの声だった。
「車お願いします」
「お名前は?」
「藤川です」
「ふりかわさん?」
「ふじかわです」
「どこですか?」
「○○病院です」
「わかりました」
雪のちらつく中・・・タクシーが来た。
駅名を告げると、明らかに運転手は
「ちえっ」と言った顔をした。
だって、仕方ないやん・・・・駅前の薬局しか無理なんやもん。
こっちだって、電車で家に帰りたくないわい。
タクシーの運転手は無言で、駅に着くと
「○○円です」と言った。
お釣りをあげたけど、何も言わなかった。
と言うより、何も聞こえなかった。
きっと、不況なのだと思った。
薬局で薬を受け取り、
10分待って奇跡的にJRに乗れ、
自分の住んでいる駅に着くと、
さっきのタクシーの運転手が車を止めて
乗客を待っていた。
その横を足早で通り過ぎた。
マスクをして、ダウンの襟を高くして・・・・・。
点滴をわざわざ遠い病院まで打ちに行った
とんでもない日だったけれど、いつもとは違う経験をした。
自分にとって、大きな病院とは
明らかに非日常なのだ。
点滴のおかげで体もだいぶ快復したように思う。 終わり
☆
ぶっへーーー書いていたら、めっちゃ長くなりました。
最後まで読んで下さったかた、すみません。
だからなんなん?と言われたら、
いえ、なんでもありません・・・と言うしかないですね。
ただただ、何気ない日常の、大きな病院に行った日の
夕方でした。
でも、ほんとに寂しかったあ・・・。一人でタクシー乗って、
山の上の病院に行くんですよ。
雪の積もった日に・・・・。
京都に住んでいた頃は、病院もたくさんあったし、
結構色々なことで病院にもお世話になったのですが、
こちらは病院もあまり多くはありません。
それに自分が大きな病院に行く機会はめったにありませんね。
今回の風邪で、いろんな人から本当に
風邪は年とともに治りにくくなるから・・・・
無理は禁物と言われました。
こんなにこじらせたのは初めてで・・・
自分でもどうしたんだろうと思えるほどだったのですが、
今日はやっと治りかけの「痰」が絡んだ咳、鼻が出るようになりました。
もうすぐ、完治すると思います。
これからも気ままに、楽しく書いていきますので、
よろしくお願いします。
長くなってしまいすみません・・・・。
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前置き。これって小説じゃないよなあ・・・と自分でも思いつつ・・・
まあ・・この際ジャンルはどうでもいいかなと・・・まあそんなこんなで・・・・
うだうだと書かせて頂きます。悪しからず。
☆
日曜日の午後・・・図書館で借りていた本を返しに隣町の
図書館に行くことになった。
ゴールドペーパードライバーの私は、普段は電車で行くのだが、
風邪がまだ治りきっていないので、家人に車を出してもらうことになった。
でも・・・嫌な予感。
ちょっと車に乗らないほうがいいのではないかという気がしてきた。
昼食のスパゲッティ-も重かった。
でも仕方ない・・・・。
図書館に行き、本を返却してさっさと家に戻った・・・が。
それからである・・・・・。
私の悲惨な午後は始まった。
胃・・・・が明らかに別の生き物のように自分の体の中で
何かを主張している。
いや、いつもはおとなしく・・・
ひたすらおとなしく・・・・
お腹が空けば「そろそろ・・・ご飯食べてね~」と
言うくらいなのに。
もう立っていられない。
自分でもどうしたらいいのかわからない。
とにかく・・・・
私はこのままどうなっちゃうのだろう・・・という状態で。
トイレに篭り・・・・
1時間。
2時間。
3時間。
4時間・・・・篭り・・・
中では恐ろしい地獄絵図(本当に・・・すみません・・・・)になっており・・・
誰もそばには寄ってこず・・・・
1階のトイレはもう占領されている・・・・
「私・・・なんか変な病気?」
「最悪、救急車呼んでもらうのかな・・・」とか
毛布を被って
便器のふたに頭を乗せて・・・・
時々眠り・・・・。
本当に・・・・気持ち悪い。
数年前に母に作ってもらったすき焼きで家族全員、
食中りになったことを思い出した。
あの時は悲惨だったなあ・・・と。
時間って病気の時にはあまり関係ないものだ。
気付けば、夜になっていた。
ああ。
私の日曜日はこうして空しく終わった。
一体何がいけなかったのだろう・・・。
わからない。
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甘い
甘い
甘い
甘い
今、同じメロディーが頭から離れないのですが・・・・
甘い、あーーーまい・・・・
僕の恋人・・・・
☆
自分はチョコ好きですけど・・・
ある意味、男性に生まれなくてよかったなあ・・・なんて。
バレンタインなんて企業に踊らされてるよなっていうのは
わかるんですけど・・・・
やっぱ、チョコってもらうと嬉しいものなんでしょうか・・・・。
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今回のウィルスくんはちょっと
キツイみたい…
一日中寒気がして…
残念だけど今日は
おとなしく寝ます…
やっぱ昨日雨に打たれた
のがまずかったかなあ〜
皆さん(どこの皆さん?)
おやすみなさい〜
(_ _)Zzz
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この話は昨日吉沢医院へ行き、待合室で自分が実際に遭遇したことです。
☆
やっぱりなあとは思ったけど、吉沢医院は今日もめっちゃ混んでいる。
10時に受付に名前を書きに行き、11時半ごろになりますと言われて
予定の11時半を15分近くも遅らせて出かけて行ったのに
まだ3人も自分の前に患者さんがいる。
仕方ないので、4人がけの茶色い合皮の長いすに腰をかけて
本を読むことにした。
この吉沢先生の待合室には、誰の趣味なのか漫画がたくさん置いてある。
「美味しんぼ」などは私が全く読んでいない先の方まであり・・・
海原雄山はとっくの昔においじいちゃんに
なっているではないか・・・。
でも、この日は漫画の気分ではなかったので、
かと言って、一人で来ているのに子どもの絵本を
読むのも可笑しい気がして、
一人でカバンからつまらない本を取り出して
読んでいた。
たまたま家を出てくる時に、目に入った本だった。
しばらくして、「しまった、体温計を借りて、熱でも計っておけば
よかった」と思った。
先生に説明する時に、症状を説明しやすいからだ。
もしも、まだ熱があるからといって、インフルエンザの検査でも
された日にはたまらない。
のどが痛くて、来ているのに、鼻の奥にあんな細い綿棒のようなものを
ぐりぐり入れられたら、余計調子が悪くなりそうだった。
(先生・・・私、もう熱はないんですよ・・・・。のどが痛いんです・・・・)
その時だった。
私よりも先に呼ばれた患者さんが診察室から出てきた。
見るからに私よりも若い母親がマスクをしていて、
2、3歳位の双子の女の子を連れている。
私は、自分の名前が呼ばれるのを待っていた。
すると、双子のどちらかの子が急に泣き出した。
「もう・・・・・いい加減にしてっ!」
「ママ、今日はしんどいねんから・・・・スリッパ脱げたくらいで泣かんといて」
(おぉ・・・・なかなか・・・・いい線いってるねえ)
何がって?
あのね、このくらいの年齢の子にいい加減にしてって言っても
通じないんだって・・・・。
いい加減って何かもわかんないんですから。
「そんなことで泣くんやったらママ、もう知らん」
(うっわーーー言ってるよーーーしかもママ泣きそうになってる声だ)
待合室は女性ばかり・・・でもみんな聞こえない振りをしている。
こういう場合、そちらを見ると逆にママを焦らせる結果になる。
女の子はより一層大きな声で泣き出した・・・・・
形容するなら・・・・
ぎゃあーーーーーーーーーーーーん・・・・・・って感じかな。
それが大音量で待合室に響き渡っている。
母親はますます・・・・ヒステリックに怒り出す。
「もう、吉沢先生んちの子にしてもらうかっ。
家に連れて帰らへんでっ。すぐに泣き止み」
いや、それはちょっと無理って。
とっても、美しいお母さんなんですが、子どもが泣き出したら
話は別なんでしょうね・・・・。
私は、思いました。
もし自分がこんなに調子悪くなければ「大丈夫?」って
声の一つもかけてあげられるんですが・・・・
その日は無理。
第一、向こうが「この人・・・何?インフルエンザ?近寄らないで・・・」
とか・・・「何?この人・・・変な人。宗教の勧誘?」とか
思われたら、嫌じゃないですかあ。
かわいい模様入りのマスクですよ・・・・。いい大人が・・・。
絶対怪しい人だもん。
で、静かに椅子に座ってました。
「藤川さんーーー中へお入りください」
(結局、私、藤川さんなんですけど・・・何か?)
程なくして自分の名前が呼ばれたので・・・
「はい・・・げほっ」とかすれた声で返事して、
ドアをノックして、
中に入って行きました。
「あらあ、今日はどうされました?」なんて軽快に聞かれつつ・・・。
予想通りだ。
☆
それで、私が診察室から出てきた時には、その親子は帰っていたから
無事に連れて帰ってもらえたわけです。
吉沢先生の家の子にはならずにすんだのね。
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久しぶりに風邪を引いた。ここ数日は鼻水が出るなあと思っていたのだが
急にのどに来た。
私は子どもの頃から風邪を引いたら、扁桃腺に来る子で
「扁桃腺を切らないといけない」と近所の幼馴染のおじいちゃん
のお医者さんにいつも言われていた。
大人になると風邪も引きにくくなるものなのかな。
でも昨日は一日中寝ていた。
咳をすると血を吐くかもと言うくらい痛かった。
朝から背中や関節が痛くて・・・
とにかく眠った。
家族には迷惑をかけたけど・・・・。
☆
さて、うちの近所には吉沢医院という病院がある。
そこの先生は大きな病院の小児科部長をされていたが
定年で辞めて、家に戻り、フルタイムで
仕事をされている。
私が結婚して初めてこの地に来た時は、
まだ平日の夜だけしか開いていなかった。
吉沢さんは女医さんである。
頭は真っ白でショートカット。
体はふっくらされていて、笑顔は優しい。
ちょうどプロレスラーのアジャコングに似ているような気がする。
先生ともかなり長いお付き合いになる。
何かあったら、いつもここに駆け込んでいたから。
吉沢先生には息子さんが一人おられる。
日曜日に行くと、受付が息子さんだ。
なんでわかるかと言うと、顔がそっくり同じだからだ。
たまたま・・・息子さんの同級生という、うちの子どもの同級生の
ママさんに会った。
そのママさんは小さい頃よく吉沢先生の息子さんと遊んでいたそうだ。
母一人、子一人。
お父さんとは息子さんが幼い頃に離婚したそうだ。
吉沢先生のふくよかな優しい笑顔の中に
母の強さを感じる。
きっと大変なことも多かったことだろう。
でも医者という職業をしながら、子どもを育ててこられたことは
すごいなあと思う。
☆
もうすぐ私の診察予定の時間が来る。
今日も久しぶりに吉沢先生に会ってくるとしよう。
半そでのティーシャツに白衣姿の先生は
「あら・・・今日はどうされましたか?」と軽快な口調でおっしゃるに違いない。
よく聞けば絶対に関西弁ではない。
標準語だ。ハイカラな感じだ。
さっき診察券と保険証を窓口に出してきた時に、
私は住所変更の旨を伝えた。
そう・・・先生と同じ町内に引っ越して来たんです。
たまたまですけど。
でも、きっと先生と最期のお別れをする日まで、
ずっとずっとここにいますから・・・・。
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あーあ、たまには休ませて欲しいのに、また小学生の娘がお約束をしてきたと言う。
「お約束」というのは学校が終わってから、お友達の家に遊びに行くことを言う。
「ママ、風邪ひいてしんどいねんから・・・朝もそう言うたやろ」
「でも・・かえでちゃんとDSしたかったんやもん」
娘は全く悪びれずに言う。全く。しかもうちに来るというのだ。
☆
このかえでちゃんという子は三人兄妹の真中で、
幼稚園の頃から知っているが・・・・。
本当に薄気味の悪い子だった。
大人としてこういうことを言うのは絶対にタブーだということを
私は知っている。
だから絶対に顔には出さないし、
家に来ても笑顔で迎えるようにしている。
むしろ、他の娘の友達よりも・・・より優しく・・・・より親切に。
ああ、私ってやっぱり・・・・腹黒い?
でも・・・とにかく薄気味悪いのだ。
もし私が漫画家だったら、必ず似顔絵を描いて
もっとわかりやすく説明できるだろうに。
漫画家ではないので、それは出来ない。
でも・・・・塚田 楓という名前は本当に美しかった。
そして、声も美しい子だ。
一つ下の年子の妹がいて、その子は塚田 椿という。
この椿(つばき)ちゃんはかえでちゃんとは全く顔が違う。
性格も・・・・多分全く違う。
性格は人それぞれだから、違うのは当たり前かと思う。
かえでちゃんは、いつも長い伸ばしっぱなしにしたような
もつれた髪の毛で半分くらいは顔を覆われている。
目は一重・・・・。
そして、こっちが話しかけてもよそを向いてちょっと笑うだけで、
こっちを見ない。
もちろん挨拶もしないし、靴もそろえない。
極度の恥ずかしがり屋なのかなと思っていた・・・。
うちに来た時は、娘といつもゲームをしている。
この辺りでは、よそのおうちに行く時には、
100円くらいの袋菓子を持たせるのだけれど、
それもない。まあ、それはいいとして。
そして、お約束には必ず、妹が無言でついてくる。
それをかえでちゃんが、いまいましそうに見るのだけれど・・・・
妹は必ず、うちにやって来るのだ。
しかも無言で。
妹もめったに言葉を発しない。
うちに来て何をするのかと言えば、
ただひたすらおやつを食べているのだ。
多分、塚田姉妹の母は娘たちの行動は知らないだろうと思われる。
まあ、いい。
そんなことをいちいち気にする自分が、すごくけちなのかと
思えてくる。
自分は何て心の狭い人間なのだろうと
悲しい気持ちになる。
しかし・・・・真夏に真冬のフリースを着てきたり、
参観日の日に、片方ずつ違う靴下を履いていたり・・・・
大きすぎる服を着ている姿を見ると・・・・
何ともいえない気持ちになる。
母親は参観日には決して来ない。
私はかえでちゃんのそのことを薄気味悪いと言っているのではない。
彼女の瞳が怖いのだ。
何か得体の知れない・・・・悲しみ?憎しみ?嫉みのような
物を感じるのである。
娘とかえでちゃんは3年間ずっと同じクラスになっている。
☆
去年のことだった。
ある日娘のランドセルを何気なく見たら、
小さい手紙が入っていた。
その中には
「バカ ブス アホ」と書かれていた。
一瞬ぎょっとして、これは私が見てはいけないものだった・・・・とそっと
元に戻し、娘が何か言ってくれるのを待った。
すると、娘はしばらくして・・・・
「ママ、今日なこんな手紙が机に入っててん。」と言って紙を差し出した。
「うーーん、ひどいねえ。それで、あんたはどうして欲しいん?」
と聞くと、しばらく考えてから
「先生に見せてもいいけど、クラス全員の前で騒ぎにするのは
やめて欲しい」と言った。
私は、先生に手紙を書き、犯人は追求しなくてもいい・・・
先生の指導にお任せするので、話を聞いてやって欲しい。
手紙を書いた子はきっと心に問題があるのかもしれないから・・・
例えば、寂しさ、もしかすると、嫉妬もあるかもしれない・・・と言った。
すぐに担任から電話がかかって来たので、そう伝えた。
娘の話をいろいろ聞いて、もう私の中では
その手紙を書いた子はわかっていたのだ。
そう・・・・かえでちゃんだった。
確信した。
しばらくしてまた担任から電話があった。
先生もそのノートの切れ端らしき紙から
ほぼ書いた子を特定できたので話を聞こうとしたら
号泣しだして、話を聞けなかった。
でも、間違いないと思われる。
お母さんのおっしゃる通りです・・・・と。
(なに・・・?泣いたから話を聞かなかったの?それで、なんで
その子がそれを書いたか、本当の理由がわかったんかい?)
私は言葉を飲み込んだ。
娘ともいろいろ話し合って、なんとか道徳的にいや、理想的に・・・・
教育的に・・・・模範的に・・・・
話をまとめた。
(本当はかなり腹が立ったけどね)
だって、塚田さん・・・・娘が何してるか・・・あなたは
全く知らないわけでしょ?
かえでちゃん・・・・寂しいんだよーーー。
でも、担任は親には何も話してないと思う。
ちゃんと話せよ。
☆
こうして、塚田姉妹は何事もなかったようにうちに来る。
私は、挨拶くらいしてもいいのに・・・と思う。
そして、いつか彼女たちが気付いてくれたらいいのにと思う。
何に?
何やろ。
挨拶?
うん・・・それもある。
挨拶、大事やで。
靴そろえること?
うん・・・まあ、それもある。
よその家では靴そろえてもバチは当たらへん。
顔見て話すこと?
もちろん・・・・よそ見て薄ら笑いしてても気持ち悪いだけ。
話かけられたら、返事くらいしろ。
あまり大金、持ち歩かないこと。大きい子にカツアゲされちゃうぞ。
可愛い妹に自分の宿題、させないこと・・・・。
虫歯の治療すること。
☆
あはははは・・・・自分で書いてて可笑しいわ。
結局、私がちっちゃい人間ってことですかいな。
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次回はこういう内容で短編を書くつもりでいます。
昨日もパソコンに向かったら邪魔が入り・・・本当によく邪魔が
入ります。
そのうち、私の正体とかもばれそうだし、年齢も徐々に
明らかになることでしょう・・・。
小説を書くに当たって、辛いことは書いている内容を
実体験だと思われること。
まあ、思われてもいいっちゃいいけど、
そうやって、人の視線を気にしてること自体、
もう臆病者ですよね。
絶対に自分は文筆業は出来ないやろうなあ・・・
と思うのは、人の目を気にしすぎてしまうから・・だと思います。
でも、実際はほとんどフィクションですからね・・・・。
自分の大してありもしない引出しを開けて、
書いているんですけどね・・・。
☆
話は変わりますが、人間の心の中には
本音と建前があると私は思います。
どんなに綺麗事や道徳的なことや
理想を述べても・・・・心の奥のどこかには
悪魔みたいな気持ちがあると思うんだなあ・・・・。
今回はその心の中の「悪魔」やダークな部分を
書きたいと思います。
それをさらっと口に出せたら、本当に表裏のない人間なんだと
思いますが、私の周囲にめっちゃ「毒」を吐く人がいるけど、
聞いていて私はこっそり、引いてしまいます。
「女の人って怖えぇーーーーーよーーー」って思うんです。
だからますます自分はいい人を演じてしまい、
ぐったり疲れてしまいます。
ほんと。
いい人の振りをするのはいい加減やめようと思うのですが・・・・
私から「いい人」を取ったら何が残るのか?
何・に・も・残・ら・な・い・よー。
だから書くんだよーーーーーー。
ってな訳で・・・・
また書きますので、よろしくお願いします。
でも、そんな自分こそ病んでたりして?
今は土曜日のすがすがしい朝なので、まずは家の事などして・・・・
構想を固めると致します。
ではでは・・・。
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長い間読んでくださった方、本当にありがとうございました。
長かった学生時代もここで終わりにしました。
まあ、実際に国語と国文の勉強がしたくなって、英文には全く未練もなく
大学変わったんです。
ああ、いつもいつも自分の人生ってなんでこうなのかなって
思うことは多いです。
最初から決めたんだったら、途中で止めるなよって。
中学時代のテニス部もそうでした。
2年生の途中で退部するって決めたのに、
また一からやり直したくなって、
1年生と同じメニューでいいからと、
やり直したんです。
駿台にしても・・・4月からではなくて、
9月の後期編入で。
なんか人と違ったことしたいんですかねえ・・・もしかして。
でも、その中でいろいろ学ばせてもらいました。
もし、受験で失敗した時に、すぐに駿台に入っていたら、
お土産やには行かなかったわけで・・・・
谷さんのモデルになる人にも会わなかったわけです。
谷さんのモデルになる人は、当時41、2歳ってとこでしょうか。
でもすごく上品で、和風な顔立ちの
物静かな人でした。
そう・・・・私は物静かな男性に惹かれる傾向にあるようです。
(なんちゅう回りくどい言い方・・・あはは・・・)
お土産やに行かなければ、京都のなんていうか・・・・
知らなかった面もきっとずっと知らずに過ごしただろうとか。
だから、人生に無駄は一つもないと思うんです。
いつもいつも、そこには縁があり・・・・
出会いがある。
人と人との出会いはミラクルでしょ?
ではでは・・・藤川 綾の人生は一旦ここで終わります。
次回からちょこっと、なんか短編みたいなの書きたいと思っています。
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その年の12月、綾は来年大学を去ることにした。
決めたら早いのは昔っから・・・。
10月にバイトでレジを打っていると、向かいのリブレの椅子から
ぴょんと飛び跳ねて、こっちを見たヤツがいた。
よく見ると白雪だった。
なんで、いまさらこっち見るねん・・・とまた軽くイラッっときた。
恋愛に勝ち負けもなければ、誰が悪いってこともない。
そんなことはわかってる。
わかってるけど・・・・
この大学でお世話になった二年間って
思い出すとちょっとヘビーで
かなりイケてない。
自分でも笑ってしまう・・・・。
私は細木数子さんの占いの本はあまり信じている方では
なかったけど、その時の自分は
ちょうど大殺界だということだった。
新しいことは始めてはいけない。
恋愛も・・・?
消極的に?
いや、それは無理やろ。
人を好きになるのに、理由はない。
☆
綾が来年大学を変わると言ったら、
本屋の店長はかなり名残惜しそうにしてくれた。
大学変わっても遊びにおいで・・・と。
もう少しバイトに来て欲しいと言われた。
でも、教科書販売までは一応責任があるから来るけど、
5月になったらもう来ないよ。
去る時はきっぱり・・・・・。
綺麗に消えたい。
友達にはまたきっと会える。
どこでだって会えるよ。
ふうちゃんはかなり寂しそうにしてくれた。
でも・・・私がいなくてもきっと大丈夫。
あなたなら・・・・ちゃんとやっていけるよ。
それにね・・・・英語の勉強は自分には向いてないと
わかったんだあ。
やっぱ国文学の方が自分には向いてるんじゃないかって。
ん、どんなにがんばっても英語の先生にはなれそうもないわ。
と言うわけで・・・・一旦ここの大学での学生生活は
終わりなんです。
☆
12月の年内のバイトが最後の日、
白雪に道でばったり会いました。
きっと神様が会わせてくれたんでしょうね・・・。
綾はどうしたと思います?
道の正面から白雪が来たんです。
向こうもこっちを見ていました。
今思えば・・・
「馬鹿じゃない?」の一言でも言ってやればよかった。
でも言えなかった。臆病なんです。
☆
それで、にこっと笑ったんです。
心から・・・笑顔。
綾の方が馬鹿でしょう?
ほんと・・・。
それっきりです。
人生で白雪姫に会った記憶はそれだけです。
☆
ジロちゃん・・・ジロちゃんは留学先から何度も手紙を
くれました。
綾も書きました。
その頃は彼女とは別れていたみたいでした。
でも・・・・綾はとーーーってもずるい女の子でした。
そのずるさはいつ身についたものなんだろう?
わかんないけど。
綾にはおかしな人生論がいくつもあるんですよ。
その一つがジロちゃんに当てはまるもの・・・・。
その人を失いたくなければ付き合わない。
恋愛関係にはならないんです。
わざと?
そう・・・それもあり。
わざと。
恋愛関係になると、近い時にはめちゃくちゃ近いけど、
別れたらもう二度と会えなくなる。
地球上で一番遠い存在でしょ?
でもそれは嫌だったんです。
だから・・・・
ずっと友達です。
ジロちゃんのことはずっとずっと友達です。
☆
綾がこの大学で学んだ本当にたくさんのこと、
出会いは全部、全部宝物です。
ありがとう・・・・。
バイバイ。
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9月になりまた何事もなかったように大学は始まった。
けれども、クラスメートの何人かは大学を辞めていた。
祇園の水商売のバイトを本業にするといった人もいたし、
よその大学を受けなおすという人もいた。
綾はまた大学のバイトに戻った。
心を切り取ったように・・・・お土産やでの出来事や谷さんのことは
思い出さないように神経を集中させた。
やれば出来る。
やれば出来るもんだよ・・・・。
そんなある日、バイト先に一学年下で、
白雪の親友を先輩に持つ、井上くんがやってきた。
そして、もし休憩があるのなら
時間を少しちょうだいと言われた。
「いいよ・・・リブレ行こ」
(注;構内の学食のこと)
綾は井上くんとリブレに行った。
そして、よく座る窓際の席に座った。
井上くんは少し目が不自由だったので、
綾が案内した。
たわいもない話から、井上くんの同好会の話になった。
フォークソング同好会・・・・・。
笑える。
「そう言えば・・・・綾さん・・・・」
「ん?なに?」
「僕の先輩の友達と付き合ってたんですね」
「え?なんで?」ちょっとたじろぐ。
「僕の先輩が言ってました。
友達から聞いたって・・・。」
「ほんで?」
「それで・・・・先輩の友達はある日金髪になったそうです。」
「ん・・・知ってる」
「それって、綾さんのためやって。綾さんのために金髪になったって」
「は?なんで・・・」
「うーーむ、僕もそう聞いただけです。でも・・・・」
「でも・・・・なに?この際なんでも言うて・・・・」
「その人、今年はもう留年だそうですよ。前期にしばらく大学休んでて。
今は来てるけど・・・・。」
「はい?もう留年決定なの?」
「はい。そうらしいですよ・・・・。僕の先輩は綾さんのせいちゃうか・・・って。
あいつ、大学来れへんかったって言ってました。ショックで・・・って。
綾さん、めっちゃ可愛かったって。惚れとったみたいって。」
さすがにちょっとショックだった。
私のため?
一度も好きだなんて言ってもくれなかったし・・・・
ただ短い春休みを一緒に過ごしただけ・・・なのに。
いつもいつも会ったら、つまらなさそうにHしてたやん。
なんで?
なんで?
なんで?
大学、そんなに長いこと休んでたの?
なんで・・・・また130万以上かかるのに
留年なんてするの?
京都の私大でも学費高いほうでしょ。
アホちゃう?
ほんま、アホちゃう?
もう過ぎ去った過去のことだと思っていたのに、
段々腹が立ってきた。
井上くんは無口になった綾を感じて、
きっとちょっと気まずい思いをしたに違いなかった。
けれでも、今は無性に腹が立つ・・・・。
私のことなんて、振っておいて平気やったんでしょ?
電話かけても話してくれないし・・・・。
「綾さん・・・すんません。僕、そんなつもりで言ったん違うんですけど・・・
先輩からそう聞いたから・・・。」
井上くんは本当にすまなさそうに言った。
「ええよ。井上くんが悪いんちゃうし。でも・・・・情けない。
自分も情けない。戸田くんも情けないわ。
私のために金髪って・・・・・わけわかんない。
ごめんな。今日はもう行くね・・・・ごめん。」
綾は席を立った。
むかむかする。
本当に・・・・白雪は馬鹿だ。
私も・・・もう大学に思い残すことはないわ。
綾はそう思った。
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今日から2月ですね。
多分昨夜から風が強くて・・・
こちらの電車は止まっていると思われます。
もう節分かあ・・・本当に早いですね。
京都での懐かしい年月を振り返りながら
書いてきましたが、
学生時代も長くなりすぎてしまいました。
後2話くらいで終わろうと思います。
そこからはまた全く別の話を書こうかと思います。
一旦、綾の人生は終わろうかなと。
ブログも色々続けていると、どういった内容の時に
訪問してくださる方が多いかとか・・・わかってきました。
けれど、ずっとずっと恋愛のシーンばかりを書くというのは
無理だし。
過激な内容は自分の守備範囲を超えている。
じゃあ、心理描写が出来るのかと言えば、
全然出来ないですし・・・・![]()
ほとんどがフィクションになった学生時代・・・・
書いていて、面白かった。
時々、辛かった。
ちょっぴり恥ずかしかった。
でもありがとうございました。
本当に・・・・
感謝しています。
これからも、自由気ままに書いていきたいです。
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フロントの田淵君に連れられてやってきたのは、高瀬川沿いにある小さい
喫茶店だった。
一番奥の川に面した席に谷さんは座っていた・・・。
後ろを向いていたけど頭の形ですぐにわかった。
☆
「谷さん、藤川さんを連れて来ましたよ・・・」
田淵君が声をかけると、谷さんは振り向いた。
「ああ・・・ほんまにありがとう」
谷さんがそう言うと、
「僕はこれで失礼します」田淵君は綾に微笑むと、
店から出て行った。
「やあ・・・よくきてくれたなあ。久しぶり」
綾は驚きと喜びで声が出なかった・・・。
まだその場に立っていた。
「さあ、座って」
谷さんの横に座った。
「元気やったか?」
「はい・・・谷さんは?」
「うん。まあまあかな・・・。すまんなあ・・・君には迷惑かけて」
「迷惑なんて思てません」
そう言いながら谷さんはどこか遠くを見つめるような目をしていた。
「祇園祭の宵々山の日にな、妻のお父さんが亡くなったんや。
そこまでは言うたなあ」
「はい」
「その後・・・妻が急に元気のうなって・・・・
うつみたいな症状になってなあ。」
綾はじっと聞いていた。
「それで、京都の家に戻ってきたんやけど、あんまり症状も
ようならへんし・・・僕がついてたんや」
「大変でしょう・・・・ね・・・奥さんもお辛いでしょうね」
「うん・・・ちょっと自殺未遂のような騒ぎを起こしてな・・・」
綾は谷さんの顔をじっと見つめていた。
「それで、3日前からちょっと入院してるんや。夜は完全看護やから
家族は泊まれへんのんや・・・それで・・・」
「はい・・・・」
「君に会って話がしたかったんや」
綾はうなずいた。
谷さんはちょっとやつれたように見えた。もともと細い人なのに・・・。
「谷さんは大丈夫なんですか?」
僕か・・・・うん・・・・」
谷さんは黙ってしまった。聞いてからしまったなあと思った。
(大丈夫じゃないんだ・・・。)
「谷さん、ここ出ましょうか・・・」綾は言った。
綾は谷さんと二人きりになれる場所に行きたかった。
☆
それにはもう・・・・あそこしかないか・・・・。
綾はそう思った。
覚悟を決めた。
「谷さん、ちょっと歩きますけど・・・いいですか?」
「うん・・・」
二人は祇園の方から東山通りに向かった。
綾は谷さんに笑って欲しかったので、まったく関係ない話をした。
自分のドジぶりを話すと谷さんは時々笑ってくれた。
「谷さん、今日は家に帰らなくてもいいんですか?」
「いいや、今日も戻らなあかん・・・」
少し苦しそうに言った。
「わかりました・・・・ちょっとだけ二人きりで話せるところに行きましょう」
綾は一軒の建物の前で立ち止まった。
そして中に入った。
「き・・・君・・・・・」
谷さんはさすがに驚いた・・・でも綾の真剣な表情に抗う気持ちには
ならなかった。
「あのう・・・私も・・・・こういうとこ初めて来たんです・・・ここからどこへ行ったら
いいのかな・・・」
谷さんも決して慣れている風ではなかったけれど
先に歩いて、綾を先導した。
一つのドアの前に来た。
二人は中に入った。
ここは・・・趣味の悪い光も
何もなかった。
ただ落ち着いた佇まいのひっそりとしたビジネスホテルのような感じ
のところだった。
綾は安心した。
谷さんもほっとしたようだった。
「谷さん・・・・私、二人っきりで話せる場所に来たかったんです」
「うん・・・」
「それだけです・・・・」
「うん・・・わかった・・・・ありがとうな」
谷さんは部屋のソファに腰をかけた。
綾も横に腰をかけた。
ただ、真横ではなく、話が出来るように椅子を動かして座った。
「藤川さん・・・・いや・・・綾・・・・ほんまにすまんなあ」
「何がですか?」
「君には・・・・色々・・・」
「いいえ、何にも・・・。」
「祇園祭、一緒に行きたかったんやけど・・・それもできひんかった」
「それは仕方ないです。」
「僕のせいや。妻があんなになってしもたんは・・・・僕のせいや」
(谷さんらしくない・・・元気もない・・・・
どうしてそんなに自分を責めるのだろう。)綾はそう思った。
「僕がきっと冷たかったんやなあ・・・」
「えっ・・・・」
「僕はそんな器用な人間違う・・・きっと妻にはわかってたんや。
僕の心が君のとこにあるって・・・。
妻は寂しかったんや・・・。それで・・・
心を閉ざしてしもたんかなあ。」
谷さんはとてもとても寂しそうに言った。
・・・・・・ふと谷さんの瞳を見ると、光っている。
谷さんが泣いてる?どきっとした。
ナイテルノ?
そして・・・・胸がズキズキと痛んだ。
初めてだった。
谷さんの綺麗な瞳から・・・涙が・・・・あふれている。
男の人の涙とはこんなに胸が痛いものなのだろうか。
☆
☆
「谷さん・・・」
綾は谷さんの頭をきゅっと抱きしめた。
そして、ずっと離さなかった・・・・。
谷さんもきっと辛かったのだということが痛いほどわかったから。
「もう・・・・会えへんのかな・・・」
綾がつぶやいた。
谷さんは何も言わなかった。聞こえていなかったのかもしれない。
でも、もう会わないほうがいい。
綾も泣けてきた・・・。
でもそれは必死にこらえた。
苦しかった。
こらえきれなくて、
しばらく声を出さずに泣いた。
ポタッ。
ポタッ。
涙が落ちる。
涙が谷さんの髪の毛に落ちて・・・
谷さんが気付いた。
谷さんは頭をゆっくりと起こした。
そして・・・綾をじっと見つめて・・・
それから涙を静かに唇でそっと
そっと・・・・・
吸った。
☆
☆
☆
二人は手を握り合っていた。
それを愛しそうにお互い口に含んだ。
骨が歯に当たる。
谷さんが綾の指を噛んだので綾は
ちょっと痛そうな顔をした。
「こんなに好きになった人はほんまに初めてや・・・・」
谷さんはそう言った。
綾はそっとうなずいた。
それでも、どうしようもない・・・。
二人に先は無いのだから。
谷さんのあふれるような気持ちは綾には痛いほどわかった。
それは綾も同じ事だった。
初めて綾がお土産やに来て谷さんを見たときから・・・
やっぱり谷さんのことを好きになっていたのだと思った。
☆
☆
「いつも綾の幸せを祈ってるから」
「私もです・・・・とにかく体に気をつけて・・・
元気で居てください」
そして・・・二人はもう会わないと誓った。
それがお互いのためにできるたった一つのことだから。
それから綾は9月にお土産やを辞めた。
もう二度とここには戻って来ないと誓って。
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