グレープシードオイル 28・最終回・・・・メイちゃん宅にて
時は流れて、2009年。メイちゃん宅です。
「ねえねえ、綾ちゃん、それからどうなったん?」
「ん?あきら?・・・私がその3ヵ月後に海外協力隊に
行ったでしょ。それから、ちょっと連絡できなくて・・・」
「それで?」
「それで・・・あきらとはそれっきり会ってないねん」
「えぇ・・・じゃあ、あすかさんはどうなったん?」
「あすかさんのお母さんが1年半後の亡くなったんやって。
あすかさんから手紙もらった」
「あきらさんとあすかさんは付き合ったん?」
「どうやろ。ようわからへんわ。
あ・・・なんでこんな話になったんやった?」
「みんなで昔の彼氏の話してたんやん。
でも綾ちゃんの話はちょっと悲しいよね」
みるとメイちゃんが涙ぐんでいた。
冷静なマリちゃんは座ったままこっちをみて微笑んでいる。
「綾ちゃんちに行ったら、見たことないような油置いてるよね」
「ああ、あれ。実はあれがグレープシードオイルやねん・・・。
みんなにもあれで料理作ったことあるし」
「なんで、今でも使ってんの?」メイちゃんが涙ながらに聞いてくる。
か、可愛い。
「それはね、あきらのこと・・・
嫌いになって別れたわけではないから。
なんとなく・・・ずーーーっと使ってるの。
まあもうこうなったら、惰性かなあ。
あきらに今さら会いたいとか思わないけど・・・。
グレープシードオイルだけは・・・ね」
(いや、本当はどうかな。あきらに会ってみたいかもしれない)
「ふうん・・・そっかぁ。なんかわかんないな。
なんで連絡取らなかったの?
あきらさんのこと
今でも好きやったりする?」
「だんないるけど・・・?」
まりちゃんが言った・・・「それとこれとは話が違うよね」
私は曖昧に笑った。
あきらに連絡かあ。
タイミングを逃してしまったんだなあ。
「ところでね、この話には続きがあるねん・・・聞きたい?」
「聞きたい」「聞きたい・・・」と二人。
「あきらを最近、京都で見かけてん・・・・」
「うっそーそれで?」
「うん。あのね、少し離れたところから見てて・・・
それで、後をつけて行ったの」
「えぇ・・・マジで?」
「うん。探偵みたいでしょ?・・・そしたら地下鉄乗って・・・
あきらは昔住んでた下宿に入って行ったの」
それがね、結婚指輪はしてなくて、服装もジーンズにパーカーで
なんか30代半ばには見えなかった」
「ええ・・・それで?」
「それで・・・そのアパートはね、
上品なおばあさんが大家さんで・・
でもその人は亡くなってて、
娘さんが後を継いでたの。
私、その娘さんに話を聞いたの」
「うんうん・・・それから?」
「ああ、ちょっと話が飛ぶけど・・・いいかな?
また別の日に映画を見ようと思って、
一人で三条に出かけたん。
そしたら、昔っからある画材屋さんの前を通ってね、
店先にある古い絵葉書を見ててん。
そしたら、綾・・って名前を呼ばれた気がして」
みんなは真剣に聞いてくれている。
「振り向いたけど、誰もいいひんし・・・気のせいかと思って
また見てたら、今度は棚の方から
<綾>って呼ぶ声がして・・・
棚と棚の間をのぞくとそこからひょっこりと
こっちを見てる顔があったの」
「うん・・・」
「それは紛れもなく、あきらだったんだけど、
昔のまんまだった。
私ね、大家さんの娘さんに話を聞いたって言ったでしょ?
あのね・・・あの日妙に胸騒ぎを覚えて・・・
そしたら、娘さんが言ったの。
あきらとあすかさんって5年ほど前に自動車事故で・・・・・」
「きゃあーーーやめて、やめてーーー」
「ホラーになってるぅ」
私「なあーーーーんて・・・・ね」
「もぉーーーー綾ちゃん、怖すぎ」
「嘘でしょ?」
「うそ、うそ・・・」と私。
「どこまで本当の話やったん?」
「さあ、どこまででしょう・・・」
「あっ、もう幼稚園のお迎えの時間やん・・・」とマリちゃん。
「お願い・・・これだけ教えて。あきらさんは生きてるの?」
「うん・・・・多分ね」
「あ、もう一つ教えて!!」
「あのさ、真由とコウちゃんはどうなったん?」
「あはは・・・・その話はまた今度ゆっくりね」
私達は幼稚園に向かって走った。
グレープシードオイル<おわり>
作者あとがき。
今家で引きこもって幼稚園のお仕事中です。
慣れないワード君と格闘中。
今朝はお掃除当番で、近所のおじいさんと
戦っているため(笑)朝5時に起きました。
多分、今夜はバタンのパターンです!!
今夜、アップできないと思い、
最終回アップしました。
言葉足らずで申し訳ありません・・・。
ひとまず、ここで終わりで。
あきらとあすかさんについては後日談を。
真由とコウちゃんの怪しい話は
別口で・・・書くつもりです。
あきらさんを急に置いていく所までで
2009年にワープして
終わってしまってごめんなさい。
置いてゆく女と残る男・・・・
残される方が絶対に辛いんですよね。
うーーむ。
かなりの課題を残しての終わりになりました。
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