祖父恋 6・二人の転校生
結局その日はポチと話らしい話はできなかった。家に戻った私たちはお夕飯を頂き、後片付けを手伝って、お風呂に入り、眠った。ただこの日一つ特筆しておくべきことといえば、夕方私たちが家に戻ると、おじいちゃんの祖母にあたる小さいおばあさんが仕事から帰ったとかで家にいた事、そして、おじいちゃんのお父さんである・・名前を忘れてしまったけど・・おじさんが家にいたことだった。
ちょっと整理しないと頭がこんがらがってしまうので、それはまた明日考えよう。そうそう、明日からいよいよ私はおじいちゃん・・・・京介くんの学校に通うことになっていた。ええい、今日はもう寝てしまおう。
☆
翌朝、6時に起きた。布団をたたんで下に降りると、鶴代さんはとっくの昔に起きて、朝ご飯の準備をしていた。私は何か手伝えることはないかと聞いたが、学校に行く準備を整えておくように言われた。庭に出て、ポチの小屋を覗いてみた。・・・・・いた。
「ポチ、おはよ。あのさあ・・私今日から高校通うんだよねぇ。ね?大丈夫なんだろうか。ちょっと心配でさあ」
(大丈夫です、あんず・・・・ご主人様がついてますから)
「は?どういう意味よ?」
(大した意味はありませんよ。それにしても・・・・)
「それにしても?」
(シッ。黙って・・・)
ポチがそう言ったのと同時くらいに後ろで声がした。
「おはよ。あんこは早起きだな」見ると、今で言うジャージのような服を着た京介くんが首にタオルを巻いて立っていた。うっわーー、そのジャージはちょっとダサい。色は緑色だ。それに白の2本線。上は普通の白いTシャツだった。いや、待てよ、逆に新しいのかも。
「あ・・おはよ。どっか行くの?」
「ランニング」
「そう?毎朝?」
「まあね・・・・じゃあ」京介くんはそう言うと、タッタッタと軽い足取りで行ってしまった。髪の毛も揺れていた。
「ねえ、ポチ、おじいちゃんは毎朝走ってるの?」
(そうですね、ご主人様は陸上部の期待の新人なんですよ)
「え?うそ。そうなん?」
(はい・・・・・)
「へえ・・・・。すごいんだね。いやいやいやいや、そんなところで感心してたらダメでしょ。ねえ、今日は何するの?学校で」
(普通に学校に通ってくれればいいんですよ。全てがわたしの魔法というわけでもありませんからね)
「ええ?そうなん?」
(はい。では・・・わたしはこれで、失礼しますよ・・・)「ワンワン」
「ワンワンって、こらっ」ポチは小屋の奥に入ってぺたんと身体を床にくっつけて、眠る態勢に入ってしまった。もう、ほんとに肝心な話はできないんだから。
仕方がないので、私は家の中に戻った。そして、朝ご飯のお手伝いをした。ランニングから戻った京介くんと一緒にみんなでご飯を食べて、学校に向かう事になった。15分ほど歩いたところに高校があった。少し坂道を登った小高い山の中ほどに立っている。
☆
ほほほーーーっ。これがおじいちゃんの通ってた高校かあ。ボロいなあ。うちの高校は校舎が新しいもんなあ。こりゃ、絶対に妖怪が住んでるなあ。あははは・・・なんてね。
「大丈夫か?なに一人で笑ってるんだよ。気持ち悪いぞ」
「あ、そ。ごめんね」
京介くん=おじいちゃんに案内してもらって、職員室に入った。担任の先生に挨拶した。よくわかんないけど・・・宮田家の遠縁の娘で、母親が病気療養中で元気になるまでは宮田家でお世話になるという説明がすでになされていた。玄関のところに一人の女子が立っていた。ここのと違う制服を着ている。髪の毛の長い、色の白い、ものすごく綺麗な子だった。うわあ、こんな綺麗な子もいるんだ。私はしばらくその子に見とれていたが、おじいちゃんに促されて、教室に向かった。担任の先生はちょっと用事があるから先に行っといてと言った。
「じゃあ、教室行こうか。お前、俺と一緒のクラスだろ」
「えぇーーーー、そうなん?」私はおったまげたという表情をしていたらしい。
「そんなにびっくりする?」
「だって。おじ・・・わわわ・・・・き、京介くんと同じクラスだなんて」
「ま、普通科だし・・・・ここの学校、商業科の生徒も多いしな。男子も面白いヤツいっぱいいるからな。きっと楽しいぞ」
「だといいけど」私はちょっと心配になった。だって、よくよく考えてみると、私って未来人なんだよね。
「大丈夫っ」京介くんが頭を上からポンと叩いた。ああ、それ・・・・やめてよね。
教室は3階だった。京介くんが「じゃあな」と言って、クラスに入っていったので、私は廊下で担任の先生を待っていた。しばらくして、担任の先生がさっき下で見かけた美少女と一緒にやって来た。
「お待たせしました。じゃあ、君たち私が呼んだら中へ入ってくださいね」
☆
「みなさん、おはよう。今日は新しい仲間を紹介します。どうぞ・・・・」
ってことはこの美少女も転校生なわけ?そうだよね。先生は君たちって言ったもの。
「さあ、入りましょう」美少女が顔に似合わず、ややファンキーな声で言った。私はうなずいた。
初めて入る教室・・・・緊張した。ややうつむき加減で中に入った。
「転校生を二人紹介します・・・・一人は宮田京介くんの親戚の時田あんずさん、そしてこちらが大阪から来た島田多喜子さん」
教室がざわついた。え?多喜子・・・・どっかで聞いたことあるような名前だなあ。
つづく
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コメント
はっ!
多喜子さんとは、もしかして!?
私の推測が間違っていなければ彼女はおそらく…。
さらばじゃ!(煙幕とともに消える)
投稿: みわっち | 2009年7月 6日 (月) 09時35分
>みわっちさんへ
そうですよ( ̄ー+ ̄)あたり!!
多喜子さんですよ。でも・・多喜子さんがそんなに美少女なら・・・・でしょ??
うーーん、どうだかなあ。
投稿: 美月 | 2009年7月 6日 (月) 09時51分
多喜子さん…私も推理しました

きっとあの方?!(笑)
でも自信がないので、楽しみに解答を待ちまぁ~す(*^ω^*)ノ彡
京介くんとの高校生活もかなりわくわくしてます
投稿: 百瀬朝海 | 2009年7月 6日 (月) 10時53分
あの時代の高校生活とは、いかにっ?
興味津々ですぅ。
ジャージ、あわっ!やばいぞっ ( ̄○ ̄;)!
うちの中学、緑に白2本ラインだったっ!! ダサい~~っ (u_u。)
美月さん…み~、た~、な~…
il||li _| ̄|○ il||li
投稿: あかつき涼 | 2009年7月 6日 (月) 15時23分
>百瀬朝海さんへ
やっぱり?わかりやすいでしょ(*゚▽゚)ノ
でもですね・・・やはり探偵美月としては、どんでん返しをご用意したいわけで・・・。
今は練り練り中ですけど、やっぱ自分のじーちゃんと恋に落ちたらあかんやろということで、またまた私の倫理観が邪魔をする~♪
さあ、これからどうなるかお楽しみに!?
投稿: 美月 | 2009年7月 7日 (火) 00時02分
>あかつき 涼さんへ
あかつきさーーーーんっ、やっぱ鋭いとこを突いてきますね( ̄ー ̄)ニヤリあの時代の高校時代、さっぱりわからん。想像するしかないんだね。
恐らく・・・きっと暇だったに違いない?
いやいや、みんな土手で青春時代を謳歌していたに違いない。
さあ、これからみんなを裏切っていくよ!
投稿: 美月 | 2009年7月 7日 (火) 00時05分
あんこっ!
この時代、ジャージはめちゃくちゃナウいんやぞ!最先端!
新しいって。ある意味逆にピンポンだって。
投稿: 大田分 | 2009年7月 7日 (火) 00時07分
>大田分さんへ
あ、あんこって呼んでくれた?c(>ω<)ゞ
そうなんですね。ジャージって新しいんだね。
それにしても・・兄貴「ナウい」はきっと一部の人しかわかんないと思います。逆に・・流行らせちゃう?
ナウいを使いまくろうか?いや、ただの変な人か・・・くくくっ。
投稿: 美月 | 2009年7月 7日 (火) 00時56分