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月の雫 第2章 5・月の戯れ

 俺が風呂から上がると、部屋にはオレンジ色のランプだけが小さく灯っていた。俺はシノンを起こさないようにそっとランプを消して、ベッドの端にもぐりこんだ。

                   ☆

けれども、普段誰かと一緒にベッドに入るということがないので、なんとなく寝付かれない・・・・。仕方なく俺は羊を数えた。

羊が1匹・・・羊が2匹・・・・45・・・・63・・・・77・・・だんだんとうとうとしてきて、意識が無くなりかけた時・・・・

「カオル・・・もう寝た?」と言う声が聞こえた気がした。俺は眠りに落ちかけていたので、声を出せずにいた・・・。

後ろからシノンの体がすうっと近づいて来た。なんだかいい香りがする。

うーーん?ふっと目が覚めた。

                   ・

                   ・ 

でも、夢なのかもしれないと思って・・・もう一度寝ようとした。

今度はシノンの細くてしなやかな体が自分に後ろから絡みついてきたような気がした。

この心地よい温かさ。柔らかいふわふわとした髪の毛の感触・・・・。その時、シノンの声を聞いたような気がした。

「ダイスキなんだ」

(え?)

こういう時・・・どうしたらいいのか・・・俺にはわからない。身動きできずにじっとしていた。

(夢?夢でも見てるのか?)

シノンの体はただ静かに呼吸している。それからなんとなく絡まったまま全く動く気配はなかった。月の明かりが窓から入ってくる。静かな夜・・・・。

本当に人の肌のぬくもりはこんなに温かいものなんだ。

ゆっくり・・・・ゆっくりと・・・段々・・・・加速していって、そのうち俺は深い眠りに落ちていった。

                                      ☆

翌朝目が覚めると、もうシノンはいなかった。

「あっ・・」急に昨日の夜の事を思い出した。ふいに自分に絡み付いてきたシノンの体。俺は顔から火が出そうになったが・・・慌ててそれを打ち消した。

(何やってんだ・・・俺は。昨日のことは夢だったに違いない!)そう思うと、ベッドから出た。10月の終わりともなると朝は少し涼しい。

そう言えば・・・さっきから何かいい匂いが漂っていた。俺は急いで下に降りた。

キッチンに服を着替えたシノンが立って、料理をしていた。

「おはよ、カオル」シノンは屈託なく爽やかに笑う。

「お、おはよう」

「カオル、朝はトーストでよかったんだよね。それと冷蔵庫の中のもの勝手に使ったけど・・・よかった?」

「ああ・・それはええよ。・・・俺、顔洗って来るわ」

洗面所の鏡の前に立つと、ぼさぼさの頭に寝ぼけたような自分の顔がある。

(やっぱ、昨日のことは夢やったんよな。もちろん、自分は何もしていない。でも・・・シノンが言った言葉・・・あれもやっぱり夢やったんよな。)

ばしゃばしゃと水で顔を洗って、髪の毛を手ぐしで梳かすと、ダイニングの椅子に腰を下ろした。

「朝食、作ってもらって・・・ごめんな。ほんまは俺が作らなあかんのに」

「いいんだ。ボク、いつもドイツでは食事は作ってたんだよ。日本に来てからは杉田のお母さんが作ってくれるから・・・なかなかボクにさせてくれないんだ」

杉田のお母さんというのは、ホームステイ先の小母さんのことだろうな。

「ボクねえ、料理は好きなんだよ。楽しいんだ」

「へえ・・・そっかあ。じゃあ、ドイツ料理とかも作れんの?」

「もちろん。今度作ろうか?」

「うん、ぜひ。俺、ジャガイモとソーセージくらいしか思い浮かばへんわ」

「だろうね・・・」シノンは苦笑いしていた。本当はもっと美味しい料理はいっぱいあるのにと、言いながら。

シノンの作ってくれた朝食は美味しかった。食べなれたはずのベーコンエッグも普段とは少し違う気がした・・・。

                   ・

                   ・

この日は一緒に自転車でぶらぶらして・・・それから川原のテニスコートでテニスをしたりした。シノンと一緒にいると不思議と飽きる事はなかった。このことには俺も驚いたけど、シノンには他の誰かとは違う親しみのようなものを感じるのだった。

Pa122971

 

作者より;すみませんね・・・ほんとにコメントし辛い内容なのに、コメントくださる方。ここはもうほとんど内容はありません。ただ私の遊びの範囲で・・。ストーリーともあまり関係ないですよね^^; まあ、これは実際夢なのか現実なのか区別がつかない世界の出来事ですので・・・。

怪しい世界はここまでですよーー。安心してください。次回は薫の幼馴染の女子が初登場です(笑)やっとノーマルな世界に戻って来れそうよ。

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コメント

ちょっとお久しぶりです☆
やっと読めてうれしかった♪
今回はかなりどきどきしちゃいましたよsmile
シノンくんの心意が気になるところですがhappy02
これからどんな方向に物語が進んでいくのかなぁheart02

投稿: 百瀬朝海 | 2009年11月 9日 (月) 10時24分

なるほど…幼馴染の女の子と、三角関係になるわけですな。
ほっほっほ‥
思い切りやんなはれっ!ψ(`∇´)ψ
うそうそ。
この先も、この二人に重点を置いて読み続けたらいいんですよね?

投稿: 大田分 | 2009年11月 9日 (月) 20時20分

すでに今回も美月ワールドにどっぷりはまっている自分に気がついた今日この頃。
いいなあ、このふたり。
女子がどう絡むかな?
楽しみです~~wink

投稿: 涼 | 2009年11月 9日 (月) 21時28分

>百瀬朝海さま

コメントありがとうございます!百瀬さんもお忙しいみたいですね。こっちこそ、ドキドキしながら読ませて頂いてます(≧∇≦)

シノンの気持ちはこの物語では初めから決まっているので、楽なのですが・・今はまだ「一体何考えてるの、この子は?」って状態ですよね。だんだんと謎は解けてくると思われます(笑)
方向性ですね・・・どうしようかなあ・・・ちょっと悩むところです。
まだ物語が出来上がってないのでsweat01

投稿: 美月 | 2009年11月10日 (火) 00時19分

>大田分さま

うーーーん、重点かあ・・・。とりあえずは薫ですね。シノンは途中で出てこない場合もありsweat01あり?
今考えてるところです。物語書くってやっぱり難しいなあと感じるのはそういう部分かな。どこまで書いていいのかなって。話がぶれちゃうってこともあるもんね・・。まあ、ぶれぶれで行きますよっψ(`∇´)ψ

投稿: 美月 | 2009年11月10日 (火) 00時23分

>あかつき 涼さま

ふっふっふほんとに?ほんとにはまってくれてるんですかsign02きっとこういう世界は初めてなんだろうなあ・・・(*≧m≦*)

女子はですねえ・・・そう、絡んでくるんですけど・・そう、物語がさっきも書きましたが、ちょっとぶれちゃうかもです。でも頑張るぞっup

投稿: 美月 | 2009年11月10日 (火) 00時27分

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