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八坂物語 13・ちょっとジェラシー


久しぶりの秀峰楼に着いた。

仲居さん達が笑顔で迎えてくれた。
可愛い佐藤さんと綾は秀峰楼の人達ににこやかに挨拶すると、
すぐに玄関でお出迎えの準備をした。

その日は関東方面の中学校の修学旅行だった。

                        ☆

「お帰りやすぅ・・・お疲れさんどした」

一人ひとりのお客様に頭を下げるように丁寧に挨拶する。



そして、お土産販売の時間が来た。

こんなことは初めてだったのだが・・・。
たまたま立った場所が悪かったのか・・・修学旅行生は誰も綾のレジには来なかった。

ほとんどが佐藤さんのいる簡易レジに行く。

綾のところに話に来る生徒もほとんどいない。
いつもなら何人かは必ず喋りに来るのにな・・・・綾は思った。

まさか今日は佐藤さんが一緒だから?
いや、そんなはずはない。

綾は秀峰楼のお土産物コーナーで一人孤独を感じていた。

佐藤さん、みんなにウケがいいんだなあ…綾は寂しかった。

そして、佐藤さんはと言うと、修学旅行生と楽しそうに話すばかりで
綾のことなど全く気にしてないようだった。

お土産物売り場にと一人。

修学旅行生は佐藤さんを囲んで楽しそうに話していた。



まあ、今日は仕方ない。

佐藤さんの隣でおつりを渡す手伝いをした。
佐藤さん、可愛らしいもんなあ。
男子はあんな感じのお姉さんが好きなんだろうなあ…。


なんかちょっとみじめだった。

いや、本当はちょっとじゃない。とてもみじめだった。

一部の男子は余程佐藤さんが気に入ったのか、いつまでたっても部屋には戻らなかった。

だいたいいつものパターンなのだが、先生が呼びに来た。


「ほらっ、もうすぐ消灯の時間だぞ。部屋に戻れー」

「はーい」

男子は名残惜しそうに帰って行ったが・・・・

またしばらくして戻って来た。


「ねえねえ・・・佐藤さーーん」


「あんたら、はよう部屋に帰りぃ」
佐藤さんはちょっと怒ったようなふりをして、男子生徒を睨んでみたりするのだが、
こういう場合は男子は余計に嬉しいようだった。

あほらし・・・・綾は思った。

その日の秀峰楼の仕事は終わったが、何も楽しくはなかった。

だって誰も喋らない…ほとんど一人だったから。




向こうから谷さんが歩いて来た。


「どうや、計算は終わった?」

「はい、終わりました」

綾は答えた。


佐藤さんは可愛らしくうなずいていた。


「ほな・・・もう少ししたら帰ろか・・・表で待っといてな」


3人の乗った白い軽自動車が京都の夜の街を走った。


佐藤さんの家は京都駅のすぐ近くだった。

谷さんは夜は物騒だからと言って、佐藤さんの家の近くまで
車で送って行った。


谷さんの車で二人きり再び二人きりになった綾・・・・・。



その時、綾に異変が起きた。

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コメント

美月さん

い、異変っすか。。??
気になるところでいつも終わる。。苦笑

投稿: そらうみ | 2014年11月 8日 (土) 00時12分

>そらうみさん

読んで頂き、ありがとうございます。

そうです・・異変です。

ポンポンとアップしたいと思いますので・・
またお時間あれば覗いてくださいね。


コンスタンスでなくても構わないと思います。
頭に何か浮かんだら、ちょこっと書きとめたりして、また構想を練ってくださいねhappy01good

投稿: 美月 | 2014年11月 8日 (土) 08時22分

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