カテゴリー「高校時代」の記事

主人公・綾の高校時代の恋愛をちょこっと。美月の初期の作文

沖田 祐介の場合⑨レモンのコロン

ああ、懐かしいなあ・・・。あれからだいぶと時間がたってしまった。

藤川と付き合いだしたのがつい昨日のように思い出される。

俺は3年になって文系にいった。クラスの半数は女子だった。

             ☆

藤川とはやっぱりあまり上手くいかなかった。

春休みのある日、高台で会った時、あいつに言われた。

「勉強に専念したい」と。

それで、俺はあいつが勉強したいという気持ちを尊重してやることにした。

でもやっぱ寂しい。

会いたくなる・・・。

声が聞きたい・・・・。

あいつは、その時カバンの中にレモンの形をした・・・・コロンを持っていた。

黄色いレモンの・・・。

俺は柑橘系の香りが好きだ。それで、もう残りが少ないから・・・と

俺に見せてくれた。

「それ、ちょうだい」そう言うと・・・あいつは笑って・・・

「いいよ」と言った。

          ☆

俺は・・・夜になるとあいつのことを思い出す。

あいつの笑顔。

悲しい顔。

勉強する時の真剣な顔。

ハンバーガーを食べる時の大きい口・・・・。

夏休みだけ・・・と薄いピンクのマニキュアをしてたっけ。

もう会えないのか?

もう笑ってくれないのか?

そう思うと胸が締め付けられる。

俺だって、できることなら忘れたいわ。

でも・・・・。

          ☆

俺は枕にあいつのコロンを吹いた。

黄色いレモンの形をした・・・・。

シュッと吹くと、すっぱいレモンの香りが広がる。

胸が苦しい。

あいつの夏服からかすかに香る・・・・レモン。

白いシャツから・・・ちょっと透ける・・・・からだの線。

触れたことも無い・・・・体の線。

ブラの線。

長い髪・・・・。

髪をくくった時の白いうなじ。

触れたかった。

触れてみたかった・・・・。

俺は枕に顔をうずめて・・・・そして、泣いた。

何日も、何日も・・・・そうやって

眠った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

沖田 祐介の場合⑧青天の霹靂

ところが・・・俺たちが付き合い始めて1週間ほどたったある日。

大手筋の園城の前で話していた。

藤川は突然切り出した。ちょっと暗い顔をして。

「沖田君、やっぱり付き合えへんわ・・・。友達として・・・付き合ってくれへん?」

えーーーーーーーーーーーっ。

俺は多分、悲しい顔をしていたんだと思う。

「ごめん・・・」謝んなやあーーー。

「なんで・・・・?」理由を言ってくれ。

「う、うん・・・。やっぱ、友達として・・・それ以上は・・・・・」うわ、なんか泣きそうな顔に

なってるやん。こんなとこで泣くなよーーー。おいーーー。

でも俺は言った。

「嫌や」どうしても藤川を失いたくないと思った。

藤川は黙っていた。

「俺、お前と一緒に居る時は寂しくないねん」

「うん・・・」

「もう少し、時間かかってもええから・・・・別れるなんって言わんといてくれ」

「・・・・・・」

「な」

「・・・うん」

気まずい雰囲気のまま・・・それぞれ別の方向へ帰っていった。

女の気持ちはわからん・・・。

わかりにくい・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

沖田 祐介の場合⑦初デート

俺と藤川の初デートは大手筋の駿河屋だった。

なかなか渋い。高校生はまず来んやろ。

そういえば、打ち上げの後、俺は電車のなかで眠ってしまったらしく、

家が近所の小林が起こしてくれて・・・なんとか家まで帰り着いた・・・みたい。

あんまりはっきりと覚えてない。

でも藤川たちは別の駅で降りた。藤川は丹波橋だった。

それから・・・学校の帰りとかに話をするようになって・・・

「俺と付き合って」と言ったら・・・・「いいよ」って。

でもあいつ、あんまりテンション高くないんやな。

          ☆

で、駿河屋に行ってお茶を飲んだけど・・・

その帰りに「今度いつ会える?」って聞いたら

藤川は一瞬困った顔をしていた。なんでや?

俺がクラスでの話をしたら、いつも嬉しそうな顔してきいてるくせして。

まだ・・・・あんまり好きになってくれてないんかな・・・。そうなんかな・・・。

でも俺はそれでもいい。藤川の笑う顔を見るだけで・・・

こっちまでぽかぽかした気持ちになれるから。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

沖田 祐介の場合⑥お前にほれる

無事に文化祭も終わり、俺たちのクラスはぶっちぎりの優勝やった。

今年のクラスはかなり強い。今度は体育祭か・・・。俺はあんまり興味ないけど。

ある夜、文化祭の打ち上げをやることになった。

河原町にあるとある店の座敷ですることになった。

当然高校生なのでアルコールはダメ・・・ってことで。

ソフトドリンクになりました。ちぇ・・・。もちろん、ニコチンもダメってことで。

でもこの日はクラスのほとんどのメンバーがそろっていた。

藤川も・・・・いた。

藤川の私服、見るのは初めてだ・・・。

なんか地味やなあ。紺か紫のような色のブラウスに白いバルーンスカートをはいている。

まあ、俺にしたら、あいつが何を着てたってええんやけど。

でも、他の男子と楽しそうにしゃべってるやんけ。

特に、安岡・・・。なんやねん・・・あいつ、藤川のことでれでれして

見とる。コーラついでもらってええきになっとる・・・・。

「沖田くんもこっちおいでよ~」

おお、俺に声をかけてくれたのは、藤川の金魚のフンのきいちゃんではないか。

こいつ、ほんまに可愛い顔しとんねんなあ・・・。人形みてえ。

俺はわざと平気なふりをして「おお」と言った。

さりげなく、藤川の隣に座った。

やっぱ、話してると、藤川癒し系やわ。ほんと・・・。それに、相手にしゃべらせる・・・

そのテクニック・・・。こいつは本物の天然なのか・・・それとも計算なのか?

           ☆

店を出ることになり、鴨川で写真を撮ることになった。

もう、五条まで来ていた・・・。一駅、歩いたんか・・・。

藤川の隣に行った。藤川はちょっとこっちを見て笑った。

まあいつものことなんだが。こいつ、にこっと笑う癖があるよなあ。

京阪電車に乗ると、きいちゃんと藤川が一緒に座っていた。

俺は、藤川を呼んだ・・・・。それはある決意をしていたからだった。

「ちょっと。藤川、ええか?」

「なに?沖田君・・・」藤川はきいちゃんのほうを見て、

ちょっとごめんね・・・・と言った。きいちゃんはいいよ・・・というそぶりをした。

「なあ、藤川・・・・今、好きなやつおるんか?」

藤川はちょっとびっくりして・・・赤くなって言った。

「何を急に・・・。好きな人・・・ううーーん・・・・」考え込んでしまった。

俺は、藤川をドアの前に立たせて、両腕で顔をはさむようにして、

話した。

「俺、お前にほれた・・・・」言った。言ったけど、もう限界・・・眠い。

眠すぎる・・・。

俺は座った。その後のことは覚えていない。嘘みたいなほんまやねん、これが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

沖田 祐介の場合⑤あいつとの出会い

俺のいいところは、あまり引きずらないというところかもしれない・・・と思う。

俺は岡田の妹のゆかりに一目ぼれしたけれど、彼氏がいるのなら

仕方ない。この際、すっぱり諦めることにした。それから、しばらくはバンドの練習に

打ち込んでいた。

1学期が終わって、2学期になった。クラスの女子の顔も少しづつ

わかるようになった。その中にちょっと変わった子がいた。

それが藤川 綾だった。藤川やその他の女子数人はⅡ類という

特進クラスだったので、勉強の時には一緒にはならなかったが

ホームルームでは一緒だった。

藤川はいつも、きいちゃんと呼ばれているクラスで一番かわいいと言われてた

女の子と一緒だった。相当仲良しなんだろうな。金魚のフンみたいに

いつもくっついていた。

それは、9月の文化祭の時だった。

俺たちのクラスは仮装行列をすることになっていたので、

誰が決めたんだか「寿司の大行進」をすることになった。寿司・・・って。

ほんまに誰が決めたんやっ!!!

しかも俺はいなり寿司の「あげ」の役やった。

もうだるいので、練習サボろうとしてたら、いきなり同じクラスの女子に

声をかけられた。

「沖田くん・・・やろ?今日は練習の日やけど・・・。帰るん?」

う・・うん・・・?振り向くと、そこにあまり話したことも無い女子が立っていた。

そいつは別に怒った風でもなく・・・ただ通りかかって、俺に話し掛けた・・・

みたいな感じやった。でも見た感じ、そう悪くないな。むしろちょっとふっくらして

いい感じかも・・。

「練習なあ。俺、もう嫌やねん・・・。あの「あげ」の振り付けな。ダサい・・・」

藤川はくくっと笑った。笑顔がまた眩しいやんけ。

「でも、沖田君いいひんかったらみんな困るやん・・・。戻ったら? 

 あげの振り付けそんなに嫌やったら、自分でオリジナル作ったらええやん・・・?」

「それもそうやな・・・。お前、なかなかええこと言うやんけ」

「そうかな・・・」

俺は、藤川と教室に戻ることにした。

もう練習は始まっていた。2号館にある教室・・・俺はこの教室は悪くないと

思っている。

この日を境に、俺は藤川のことが少しずつ、気になり始めていた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

沖田 祐介の場合④あえなく撃沈

金曜日はあっという間にやって来た。

岡田と俺は、岡田の家に向かった。

疎水近くの一軒家で・・・本当に普通の家だった。

岡田は「上がれや・・・」といって俺を促した。

俺はちょっと緊張していた。

そんな俺を察してか、岡田は言った。

「ゆかり、今日はまだ帰って来うへんわ。ちょっと買いもんして帰る言うとった・・

 おかんにな」

「そうか」

「俺の部屋は二階やねん。そこの階段上がって突き当たり・・・・」

「手前がゆかりの部屋やけど・・・・。先、俺の部屋、入っといて。

 飲み物、入れてくるわ」

俺は、ゆっくりと木の階段を上った。

手前の部屋にはピンクのレースのついたドアノブがついていた。

岡田の部屋には表に「牢屋」と書かれたプレートが下がっていた。

これが岡田の趣味か。

ドアを開けると、正面に窓があり・・・・その横に

おにゃん子クラブのポスターが貼ってあった。

まもなく、岡田が上がってきた。

「おう、祐介・・・・そこに座ってや。ファンタグレープでええか」

「おう・・・サンキュ」

俺は座った。岡田の部屋はかなりきちんと片付いていた。

「もうすぐ、おかんも帰ってくるわ。今日は仕事で・・・・」

「そうか・・・」

俺たちはジュースを飲んだ。ポテチも・・・岡田が出してくれた。

「岡田、おにゃん子誰が好きやねん?」岡田は笑った。

「俺?新田恵利。お前は?」

「俺?河合その子・・・・・美人やろ?」

「まあな(笑)」

すると、玄関が開く音がした。

しばらくして、階段を駆け上がる音がした。

岡田の部屋のドアが開いた・・・・・

一瞬、驚くようにこっちを見た顔・・・・ゆかりだった。

「お兄ちゃん・・・ただいま。あれ、お友達来たはんの?うちも・・・・」

「八木くんと一緒・・・・」

その時、もう1つ・・・顔が見えた。

すらっと背の高い色黒の・・・歯が白く見える。

「こんにちは。お邪魔します」

その男はきちんと頭を下げて挨拶した。

岡田が一瞬俺を見た。

俺もゆかりとその男に向かって軽く頭を下げた。

「そうか・・・・八木か」小さな声で岡田は言った。

ゆかりは自分の部屋に戻ったようだった。その八木というヤツも一緒に。

岡田は俺に言った・・・・「八木言うんは、中学の時に付きおおとった・・・・

 付属行ったヤツやねん。あいつ、今でも会うとったみたいやな。

 祐介、すまんな。俺も知らんかった」

がっかりしたけど仕方ない。俺たちは数学の宿題をした。

いい時間になったので、俺は岡田にお礼を言って、

岡田の家を後にした。

・・・・なんかむなしいなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

沖田 祐介の場合③アタック

それから数日して・・・翌週の月曜日の放課後。

俺は体育館の近くで、岡田と話していた。

「オレ、お前の妹って知らんかって・・・。見かけた時、可愛い子やなあ・・・

 と思て。名前も知らんし・・でもなんとなく二中の方かなと思て。

 お前に聞いてみたんや」

「おう・・・そうか。名前はゆかり・・・言うんや。あいつ、ああ見えておてんばでなあ。

 今は彼氏おらんって言うとったけど・・・。中学んときは付きおおとったなあ。

 テニス部の・・・・。付属行った・・・やつ」

「そうか・・・。今は好きなやつはおらんのけ?」

「それはオレにはわからんわ」

「好みは?」

「地黒のスポーツマンタイプちゃうか・・・。付属行ったヤツは、

 地黒でさわやかで、勉強もようできとったらしいぞ」

「あは。オレとは全然違うなあ」

「祐介、なあ良かったら一回俺んち来いや。

 宿題でも持って。勉強でもええぞ」

俺は岡田の善意がありがたかった。嬉しくて・・感動した。

さっそく、岡田の家に行く約束をしよう!!

「祐介、金曜日はどうや?俺、今週ずっと部活で・・・・」

岡田は剣道部だった。

「おお。ありがとう。じゃあ、金曜日、お邪魔するわ」

「おお」

岡田はさわやかに部活に向かって行った。

            ☆

金曜日はやって来た。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

沖田 祐介の場合②一目ぼれ

1学期のことだった。

俺は学校の帰り道、可愛い女の子に出会った。

長い髪を後ろでくくり、水色のレースのリボンが揺れていた。

可愛さにしばらく見とれたけど、

彼女は交差点のところをまっすぐに行き、

どうやら駅を通り抜けるらしかった。

残念だったけど、バンドの練習が入っていたから仕方ない。

明日も会えるといいのに・・・・と思った。

翌日は、雨が降っていて・・・・彼女には会えそうもなかった。

ところが、6時間目終わって、体育だったらしい・・・。

彼女が下駄箱で靴を履き替えているのが見えた。

お、やった・・・。

俺は、何か話し掛けるきっかけは無いものかと考えてみた・・・。

でも、よく考えても、彼女の名前さえ知らなければ、

出身中学も知らなかった。

でもあっちの方向に帰っていくということは・・・・・。

二中の出身か。

膳は急げだ。おれは自分でも驚くほど早く行動に出た。

まず、二中出身の岡田に聞くことにした。

運良く、岡田が通りかかった。

「岡田、ちょっと聞きたいことあんねんけど」

「祐介、なに?」

「もうちょっと待っててくれ。もうすぐ、通りかかる・・・・」

岡田は何事かというように・・・・怪訝そうに俺を見ていた。

おおーーーーそこへ彼女が通りかかった。

「おいおい、岡田、あの子知ってる?」

岡田は俺が言った、廊下の向こうを見た。

「は?どの子?3人いるやん・・・3人とも二中の子やぞ」

もうーー、まどろっこしい。真中、まんなか・・・・可愛い・・・真中。

「真中や!!」

岡田は一瞬驚いたような顔をした。そしてちょっと笑った。

「あれ、俺の妹やけど・・・・」

うっそ・・・・。信じられへん。なんという偶然。

でも待てよ・・・・岡田の妹ということは・・・・。

友達の妹ということは・・・・なんか厄介かも。

うっかり・・・。いやいや・・・・そんなことはまだや。

俺はちょっと考えることにした。

「おい、祐介!俺の妹がどうかしたんか?」

岡田はちょっと笑っている。

なんでもない。

この日はちょっと帰ることにした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

沖田 祐介の場合①俺の将来

俺は沖田祐介と言います。京都府立高校の2年生。趣味は音楽演奏、音楽鑑賞。親父はデザイン会社社長。母親もデザイナー。兄もデザイナー。祖父は有名な日本画家です。といっても数年前に死んじゃったけどね。

俺は、この家に末っ子として生まれ、父にも母にも・・・兄にも可愛がられ、何不自由なく育った・・・と思う。でも俺の親父がたとえ金持ちだったとしても、俺には関係ない。関係ないといえば、嘘になるかもしれないけど・・・・。でも、俺は自分の人生を、自分でつかみたい。幸い、兄がデザイナーとして、親父の会社を継いでくれそうなので・・・。
俺は自分のやりたい事を見つけて、将来は自分の夢をかなえたい。

そう思っていた。
今、俺は友達と一緒にバンドをやっている。「ノイズ」というジャンルだ。
            

| | コメント (0) | トラックバック (0)

15・春休み

猪俣くんとはそれから会っていません。春休みになって、私は実家に帰省することになり・・・きいちゃんも一緒に遊びに来る事になりました。

高校生活・・・3年生になったら受験が待っていて、かなり勉強しなければ・・・・と思うと、ゆっくりできる最後の春休み・・・という気持ちになって、私達はゆっくり羽を伸ばしました。

あんなに好きだったのに。あんなに想っていたはずなのに・・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧