カテゴリー「祖父恋(そふこい)」の記事

高校2年生のあんずと飼い犬ポチが死んだはずのおじいちゃんに会いに行く旅。時空を超えたファンタジーです

ありがとうございました!

 いやあ、長かったですが「祖父恋」ここまで読んで頂きまして、真にありがとうございました。私もこの作品は何やらすっごく愛着が湧いてきて・・・初めに自分が描いていた結末は大幅に変更して、私にはこれ以上は無理だというハッピーエンドになりました。

ほんとはね、まあ正直に話しますが・・・ポチはおじいちゃんを助ける代わりに、死んじゃうっていう事になってたんです。まあ、元の世界に帰るんですけど。

今回の話にはもう以前に言ったかもしれませんが「野望」がありまして、一人でもいいからこの話を読んでくれた誰かを泣かせたかったんです。だからポチがおじいちゃんを助けるシーンに重点を置いていたんですね。安易やわあ。ほんま。

でも何故泣かせたかったか。

何故でしょうか?自分が泣き虫だから・・・。いえいえ。

自分が小説を読んで泣いちゃうから?いえいえ。

なんでだろう。上手くは言えないけど、ただパソコンの前で誰かを泣かせてみたかった。まあ、私の幼稚な発想ですな。欲望とも言う?

話は変わりますよ。

でも、実はこの話書いてる途中・・・夏休み中ですがある事件が起きたのです。そう、具体的にいつとは書きませんが、ある日、私の友人でブログで小説を書いていることを知ってる通称「ブログの神様☆」と話していた時のこと。

あんずが京介くんの家から去るシーン・・・「さらっと流しすぎ」ってアドバイスを。「ここはすごく大切なシーンだから、もったいない」って言ってくれたんです。た、確かに。書くのが大変だったので流した。ばれてるし。

しかも、その「ブログの神様☆」は私に言いました。「ハッピーエンドにして」→若干のニュアンスの違いはご容赦願います。

それで、ブログ村に一旦更新したのを急遽、削除して・・・・新たに考え直すことに。しかーーし、元々あんまり深く考えずに、最終的にはポチをおじいちゃんの身代わりとして助けさせ、あんずは元の世界に戻り・・・京介くんは血のつながらないおじいちゃんとして、元の世界で仲の良い孫と祖父として暮らすという結末を考えていた私は慌てたわけです。この話をハッピーエンドにする事が出来るのだろうかと。

・・・・・そこで、里帰りに突入。讃岐うどんを食べに香川に行き・・・小説中断。

その後も色々考えるけど、私の頭では何も浮かんでこない。

来ない。来ない。

しかし「ブログの神様☆」はそんな私を優しく見守ってくれました。時には「私があんなこと言ったから美月さん、書けないんじゃないか・・」と心配までして。

違います。違いますよ。書けなかったは自分のせいですよ。

お蔭様で私自身、すっごくいい時間を頂いたんですね。作品を安易な結末から、更に深く考えて、ハッピーエンドにする方向を考える時間を。実は私もある時からわかっていたんです。なんで、あんずはこんなに京介くんのこと好きなのに諦めなきゃいけないの?って。おじいちゃんだから?でも血はつながってないって元からの設定だし。それに、ポチが何故、ご主人様である京介くんとあんずを会わせたのかっていう理由もわかりにくかったんですよね。

だ・か・ら・・・・時間はかかってしまいましたが、これで本当によかった。自分でも納得のいく終わり方ができましたもん。自分がこのブログを始めてから、あんなに空白の日々を過ごしたのは初めてでしたが、本当にいい経験をさせて頂きました。

いつも温かく、そして何も言わずに見守ってくださったみなさんには心より感謝しています。そして、友人である「ブログの神様☆」きっと本人も自分のこと?ってわかってると思うけど、本当に感謝してるからね。

みんなほんと、ありがとう!!!

次回作、早くから言って、いつも失敗するパターンの私ですけど・・・今ちょっと迷ってて・・・私が高校時代からずっと書き溜めて、長年放置してあった本家「月の雫」を書き足しながらアップしようかと考えたり、全く別の話を書こうかと考えたりしています。

でも、今週の土曜日の運動会が終わらなければ・・・・なので、もう少しお待ちくださいね。今最高に肩の荷物が重い!!

ではでは!!またすぐにお会いしましょう~っ♪   美月

相変わらず、読み返しても支離滅裂な文章だなあ。ここは笑って、許して!

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もうひとつの祖父恋 11・最終回 虹の彼方

 (んんん・・・消毒液の匂いがする・・・・。しかも誰かに見られているような) 

目を開けるとここは真っ白い天井の・・・病室のベッドの上だった。ママが私の顔を覗き込んでいたのだった。バチッと視線がぶつかった。

「あんず・・・あんず・・・・よかった」ママは目にいっぱい涙を溜めてうるうるした目で私に抱きついてきた。

「ママ・・・く、苦しいよ」

「ごめん、ごめん」

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もうひとつの祖父恋 10・会いたかった

 私は深い沼の底に沈んでいくように・・・どこかへゆっくりと、落ちていくのがわかった。でもそれは全然怖くなくて、どこか懐かしい感じがして、そして何よりも暖かい場所だった。

辺りは深い緑色をしていて、海藻のようなものがゆらゆら、ゆらゆらと揺れていた。

そして、目の前には・・・・なんと京介くんとポチがいた。

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もうひとつの祖父恋 9・川のほとりで

 ポチは何かすごく急いでいるみたいだった。もう一度バスに乗って次に気がついた時には2009年の6月に戻っていた。

私とポチはおじいちゃんの家からそう遠くない川のほとりにいた。その川の反対側に二人の小さい子どもを連れた母親がいるのが見えた。

川は前日の雨で増水していた・・・・・・なにか嫌な予感がした。

「あの、親子連れ・・・・!?」

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もうひとつの祖父恋 8・使命

「あんず様、ご主人様は幸せだったに違いありません。あの方の人生はいつも光に満ち溢れて・・・温かく、優しく・・・それはあなたが一番よく知っているはずですよね」本当はポチの言う通りだった。だからこそ、私はおじいちゃんを・・・京介くんをこんなにも好きでいられたのだった。

「ポチ、私達の旅に終わりが近づいている事はわかってる。・・・・わかってるんだけど、聞きたいことがあったの。話してくれるかなあ?なんで、そこまで京介くんのこと思ってるの?」

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もうひとつの祖父恋 7・いろんな愛のかたち

「では、あんず様・・・時空を超えて帰りますよ。ただその前にもう一箇所寄り道します。あなたに見て欲しいのです」

「京介くんと多喜子さん?」

「そうです」

「本当はあんまり二人が一緒のところは見たくなかった。でも、ポチがそう言うならきっと何かあるのかなと思う。こうなったらもうどこでも一緒に行くよ」

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もうひとつの祖父恋 6・あなたを連れてきた理由

 今回はポチが語ります。 

 「あんず様、あなたをこの時代、昭和35年に連れてきたのには、私なりの理由があります。それをあなたにお話しておかねばなりません。しかし、私があなたにお話する事は、いずれあなたの記憶からは全て消えてしまいますが・・・・それでも聞いてもらえますか?」

こうして私は話始めました。

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もうひとつの祖父恋 5・バス停までの道

「夏の終わりってちょっと寂しいよな。」黒い自転車を押しながら京介くんが言う。

「そうだね・・・寂しいよね」

「あんず、昨日の夜、お祭りで言ったこと・・・本当だからな」

「うんわかってる」

「どこにいても頑張れよ。また必ず会えるって信じてるから」

「う、うん・・・」なんだか泣きそうになるよ。

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もうひとつの祖父恋 4・写真は無理ですってば

 私は白いピカピカ光るカバンを持つと、部屋を出た。そして、玄関で靴を履き外に出た。みんなが玄関の外に出てきた。

「あっ!」京介くんのお父さんの手には昨日の夜京介くんが手にしていた、カメラがしっかりと首から下げられているのが目に入った。京介くんのお父さんは心なしか、誇らしげな表情をしていたように見えた。もしかして、写真を撮る気満々!?

(うわっ、どうしよう・・・。なんて言えばいいんだろうな。)

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もうひとつの祖父恋 3・出発前

 私も家の中に戻った。そして鶴代さんにポチが眠そうだったので、朝の散歩はやめた旨を伝えて、朝食の準備を手伝った。

「ああ、あんずちゃん、離れに行っておばあちゃんを呼んで来てくれる?」

「はい」私は廊下を歩いて、離れに行くとおばあちゃんを呼んだ。

「おばあちゃん、朝ご飯の用意が出来ましたよ」

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もうひとつの祖父恋 2・別れの朝

 明け方まで眠れなかったけど、その後よく思い出せないような夢を見て・・・目が覚めた。時計を見ると、6時だった。私は布団から起き上がると、窓の外に目をやった。空はまるでねずみ色の絵の具を塗ったように重たかった。曇ってる。

「最後の日はくもりかあ・・・なんだかなあ」ちょっとテンション下がるんだけど。

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もうひとつの祖父恋 1・(本編27話の続き)キッス

「ごめん、今はもう遅いから・・・写真は無理だよ。京介くん・・・もう寝るね」

「あ、ああごめんな。あんずも疲れたよな。・・・・おやすみ。」京介くんはそう言って、残念そうに手に持っていたカメラを眺めていた。ごめんね、京介くん。

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作者からのおねがい

 みなさん、お願いします。一度頭を真っ白の状態にしてください。そして物語をあんずが施餓鬼会に参加した昭和35年の8月の夜まで戻してください。そう、出来れば面倒ですが、「第27話」まで戻って下さい。これから第27話以降の別の話をアップします。

 あんずは明日の朝、宮田家のみんなに別れを告げて平成21年の6月30日、つまりおじいちゃんのお葬式が行われるあの日まで戻ることになっていた・・・・。もちろん、ポチと一緒に。でもポチが一箇所だけ立ち寄って欲しいと言っていた「場所」があった。

みんなにはもうあんずの本当のおじいちゃんが誰なのかはばれてますね。そう、本当のおじいちゃんは並木研一、それなのに何故、血のつながっていない京介くんがあんずのおじいちゃんになったのか?あんずの幼い頃からずっとおじちゃんは「宮田京介」だった。

そんなことは全く知らないあんずは、相手は自分のおじいちゃんなんだと思いつつ、高校生の京介くんを好きになってしまう。自分の思いを止めようとするんだけど、まっすぐに自分を思ってくれる京介くんを前にどんどん惹かれていく。いっそのこと、ポチから言われていた「写真には決して写ってはならない」もし、写真に写るともう未来には帰れなくなると言われていた掟を破ってしまおうかと・・思案する。

でも掟を破るということは、同時に自分を今まで愛情いっぱい育ててくれたパパともママとも・・・全てに別れを告げるということを意味していた。自分の17年間の全てに。

あんずがどういう選択をするのか?その辺りを見て頂ければ幸いです。さあ、もう一つの「祖父恋」の始まりです。

 あははは・・・・なんてね・・・・。ちょっと推理小説の「読者への挑戦」風に?してみました。みなさん、9月、10月は何かとお忙しいと思いますが、お時間の許す範囲で、美月の道楽?言い訳?にお付き合いくださいませ。

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祖父恋 34・最終回

「宮田京介です。よろしく。」確かにその人はそう言った。

「時田あんずです。」私も頭を下げた。ああ、どこかで前にもこんな事があったような気がした。これがデジャヴっていうものなのかな。でもこの人・・・・以前、やっぱりどこかで。

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祖父恋 33・見知らぬ少年。それとも・・・

 翌日。眩しい朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。私は急いで着替えると、顔を洗って、キッチンでコーヒー牛乳をぐぐっと飲んだ。

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祖父恋 32・2009年6月のはずが

 私はそれから時空を超えて、2009年の6月30日、つまりおじいちゃんのお葬式の日・・・おじいちゃんの家の庭でポチに声をかけられたあの日に戻るはずだった。でも私が戻ったのは・・・・そして二度目に一人で時空を超えた時には、私の中の昭和時代の全ての記憶はなくなっていた。

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祖父恋 31・未来への扉

「本当に・・・京介くんは私のおじいちゃんじゃなかったんだ。」

「はい。ごめんなさい。」ポチは本当にすまなさそうに頭を下げた。私がなぜこの時代にポチと一緒に来たのか・・・始めは全くわからなかった。でも、ある時から・・・そうだな、一緒に図書館でみんなと勉強したあの日辺りから、心の中で少しずつ、少しずつ何かが変わって行った気がする。

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祖父恋 30・私のおじいちゃん

 そのポチ・・・いや、小太郎と言うべきか・・・でもやっぱり私にはポチだけど。そんなことはどうでもいいか・・・ポチの顔は並木くんにそっくりだった。

「並木くん・・・・なの?」でも大神様は余裕の笑顔で言った。

「いや、ただ似ておるだけじゃよ。」

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祖父恋 29・光

よしっ!もうこうなったら・・・・私・・・・・京介くんに自分の想いを伝える。だってもう時間がないんだもん。

「京介くんっ・・・・私・・・・私ね・・・・・」そう言いかけた時、ものすごい速さで階段を上ってくる白い物体が見えた。

それはポチだった。

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祖父恋 28・朝まで待って

「写真?今?」

「ああ、一緒に撮りたいんだ。」京介くんは言った。

「そのカメラは?」

「親父に借りた。」

「そっかぁ・・・・ごめん・・・写真、今はちょっとムリ。・・・・明日の朝にしてもらえないかな?」私はそう言って、京介くんの顔を見た。明日、明日の朝なら・・・。

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祖父恋 27・祭りの後

 お祭りから戻ると、もう夜の10時に近かった。みんなと一緒にいる時間が愛しくて、おしゃべりが尽きなくて、なかなか家に戻る事が出来なかった。

明日・・・・そう、明日になれば、私はもうこの「世界」にはいない人間なのだ。まだ台所で用事をしている鶴代さんにただいまと挨拶する。

「あんずちゃん、お帰りなさい。お祭り楽しかったぁ?そうそう、お風呂に入りなさいよ。」

「はあーい。」

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祖父恋 26・施餓鬼会②あんずちゃん、行かないで!

 京介くんと一緒に大きな木の側で待っていると、多喜子さんと並木くんがお化け屋敷から出てきた。

並木くんは真っ青な顔をしていた。やっぱり相当すごかったのかな?

「大丈夫?なんか顔色悪いぞ。」すぐに気付いた京介くんが声をかけた。

「あ、ああ・・・なんとかな。」そう答える並木くんだったけど、全身びっしょり冷や汗をかいているのがわかる。

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祖父恋 25・施餓鬼会①今だけこのままでいさせて

 瞬く間に日は過ぎて・・・・とうとう施餓鬼会の日がやってきた。私は鶴代さんが用意してくれた紺地に白いあやめの模様の浴衣を着せてもらい、真っ赤な帯をしめた。髪の毛は自分で三つ編みにして、アップにした。

「京介、ちょっと見てごらんよ。あんずちゃん、綺麗だろ?」ふいに鶴代さんに呼ばれた京介くんは、私の顔をよく見もせずに「外で待ってるぞ」と言って、玄関に消えた。京介くんは白いカッターシャツに下は黒い学生ズボンで私がいつも見慣れた京介くんの格好をしていた。

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祖父恋 24・大宅先輩に聞いた話

 並木くんと多喜子さんとの微笑ましいようなラブラブぶりを目の当たりにした私は・・・・「よかったね」と思う反面、一体この二人はいつまで続くのかなあと少しだけ心配になったりした。

だって多喜子さんが私の未来の祖母である以上、いつか京介くんとくっつくのだと思うから。にしても・・・京介くんも多喜子さんにはあまり興味のあるそぶりを見せない。いや、ほとんどと言っていいくらい。

でもそれは仕方ない。京介くんは今は孫とは露ほども知らない、私のことを好きでいてくれているのだから。私の方は・・・おじいちゃんと知りつつも、京介くんのまっすぐで嘘の一つもつけない、クリアで澄み渡った空のようなところに惹かれていた。

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祖父恋 23・並木くんの髪

 海水浴から戻ると、また普段と変わらない夏休みの生活に戻っていた。京介くんは相変わらず毎朝ランニングをして、陸上部の練習のある時には学校に出かけて行った。

私は真美子ちゃんと遊んだり、ポチの散歩に行ったり、鶴代さんの家事の手伝いをしたりしてた。そんなある日、午前中の練習を終えた京介くんが、波木くんに図書館に誘われているので、私に一緒に来るようにと言ってきた。

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祖父恋 22・海からの帰り道

 夕方になった。大宅先輩も状態が落ち着いたので、家に帰ることになった。みんな口数は少なかった。大宅先輩は始終うつむき加減だった。

船の甲板から綺麗な夕日が見えた。こんなに綺麗な夕日なのに・・・私はなぜかものすごく悲しい気持ちでいっぱいだった。この言いようのない悲しい気持ちは、人工呼吸のことではなかった。・・・そう思う。

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祖父恋 21・人工呼吸

 ボートから海に落ちた大宅先輩はすぐに京介くんによって助けられた。けれども、大量の水を飲んでいたせいだろう・・・ボートが大急ぎで浜辺に戻ってきた時には、彼女は意識がなかった。京介くんが大宅先輩を抱き上げて、砂の上にそっと寝かせた。彼女の顔は真っ青で、唇は紫色だった。

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祖父恋 20・海水浴④笑った真美子ちゃん

京介くんと私はまだ岩場にいた。もうそろそろ浜辺に向かって帰らなければ・・・。みんなが心配するだろう。京介くんは私に「手を離して・・・おねがい」と言われて、手は離していた。でもずっとこっちを見ていた。

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祖父恋 19・海水浴③岩場の二人

「じゃあ、行くぞー!よーい、スタート!!!」世話好き陸上部センパイが掛け声をかける。

私たちはお腹くらいの水深からスタートした・・・・・。水が綺麗・・・。

私は正直言って、京介くんがどの位泳げるのかということは全く知らない。でも、負けたくなかった。

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祖父恋 18・海水浴②「負けられない、絶対に」

 船酔いとの戦いはトイレで終わった。はあ・・・。なんとかピンチを脱出し太郎島にたどり着く事が出来た。よかった~。船から降りると・・・もうそこはすぐ海水浴場になっていた。砂浜にゴミは一つも落ちていないし、海の水が深いグリーンなのに、澄んでいる。すごく綺麗な海水浴場・・・と言うよりは島だった。

「うわあ、きれいな海だね」多喜子さんは感激していた。真美子ちゃんも辺りをきょろきょろ見回していた。ポチは・・・・?ポチは普段どおりとことこ歩いていた。

「ごめん」私は手を合わせて自分の顔の前に持っていき、京介くんに小さい声で謝った。

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祖父恋 17・海水浴①

 太郎島に行くにはバスに30分乗って、さらにバスの終点から小さい船に乗って、島に渡るのだと聞いた。船かあ・・・・私は大切なお弁当の入ったバッグをぎゅっと握り締めた。大丈夫かなあ・・・実は船酔いするんだなあ。薬は持ってない。ちょっと心配だった。

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祖父恋 16・おむすび

 とうとう1学期の終業式も終わり・・・海水浴に行く日がやって来た。あの神社で話した日以来、私は京介くんとまともに、ちゃんと目を見て話せるようになった。

私はもう逃げない・・・そう誓った。どのみち、私はもうすぐ「現代」に帰らなければならない。それなら一瞬、一秒でも大切にしたい・・・。

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祖父恋 15・ホントの気持ち

「バカってなんだよ?」京介くんが振り返った。

私は思わず、2,3歩後ろに下がった。聞こえてたんだ。あ・・・・当たり前か。叫んでたからなあ。

「バカって誰だよ?」京介くんがタッタッタと小走りで戻って来た。

あっ、ほっぺたに大きな蚊が止まっている。私はいつもの癖で思わず、反射的に京介くんのほっぺたの「蚊」を叩いてしまった。

                     

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祖父恋 14・「京介のバカッ」

 私は家に戻った。下の和室で鶴代さんと話していたら、しばらくして京介くんも家に戻ってきた。今日は随分早いんだ。

「あら、京介、おかえりぃ」鶴代さんが言った。

京介くんは「ただいま」とだけ言って2階に上がってしまった。私の方は全く見ていない。何か怒っているみたいだった。

                          

         

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祖父恋 13・元気もらった

 海水浴までとうとう1週間を切ってしまった。でも私はポチの「夏休みが終わる前に現代に帰りましょう」という言葉に戸惑って・・・・そして落ち込んだ。なんで・・・?そう、自分でもなんでだろうって思う。でも、正直もう少しだけこのままここにいさせてって、思う。

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祖父恋 12・ポチの重大発言

 やっと梅雨が明け、夏休みはもう目前だった。高校は休み前で短縮授業になっていた。京介じいは陸上の練習に熱心だった。でもこの暑さでは練習もきついだろうな・・・・。並木くんもまた黙々と練習していた。ああ、並木くんかあ・・・こんなに暑くても髪の毛でいつも顔半分は隠れていた。???なんでかなあ・・・・。今度機会があったら本人に聞いてみようかな。

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祖父恋 11・水着姿

 海水浴に行く日程が決まった。メンバーは・・・京介じい、並木くん、陸上部の先輩(男子二人)、女子は大宅先輩に先輩の友人と私、島田多喜子さんの合計8人になった。多喜子さんは私が無理矢理誘ったのだった。声をかけるまでは緊張したんだけど、案外すんなりオッケーしてくれた。

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祖父恋 10・モテるおじいちゃん

 期末試験は無事に終わった。私の成績は人生で初めてというくらいよかった。だからちょっと京介くん=おじいちゃんにも驚かれてしまった。

クラスの雰囲気にも徐々に慣れて来たし、学校生活は順調だった。多喜子さんと私はつかず離れずの関係でただのクラスメートという一定の距離を保っていた。ただ・・・・・私は多喜子さんとおじいちゃんはいつか「くっつく」のだろうかと期待をもって眺めているのだけど、全くそういう気配は感じられなかった。

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祖父恋 9・顔

 きゃあーーっ。 こんな偶然嬉しいけど、今は並木くんの顔を見ると動揺するかもしれない。 そう、今の私には恋愛はご法度なのよ。そう・・・・そうなの。

なんでまたこんなところへ並木くんが現れるのよ・・・・。そう、実はこのブラック・ジャックみたいな並木くんは京介くん=おじいちゃんの友達だったんだ。私の正面にわざわざ座ったというわけではなく、ただ単に京介くんの隣に座ったのだった。

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祖父恋 8・図書館にて

 七夕の日になった。学校にも少しだけ慣れて期末試験が始まっていた。私は本当は高校2年生なので勉強にはほとんど苦労はしなかった。学校から帰るとまだ午後の早い時間だったので、今日こそポチとゆっくりしゃべりたくて、庭に出てみた。

せっかくの七夕なのに、空にはねずみ色の雲が重く広がっていて、いつ夕立がきてもおかしくないような状況だった。

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祖父恋 7・気になるアイツ

 多喜子・・・そう、私のおばあちゃんの名前も多喜子だった。でも・・・・私のおばあちゃんがこんなに美少女だったのだろうか。私の頭の中では大きな「ハテナマーク」が踊っていた。おじいちゃんとおばあちゃんは高校の同級生だったの?でもそんな話誰からも聞いたことないし。

教室には机と椅子がびっしり並んでいた。男子と女子が半々くらいだろうか、いや男子の方が若干多めかもしれない。京介くん=おじいちゃんが窓際の席からこっちを見ていた。おじいちゃんはこんなに大勢のクラスメイトの中でも結構目立っていた・・・。

その時・・・教室の一点に私の目が釘付けになった。

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祖父恋 6・二人の転校生

結局その日はポチと話らしい話はできなかった。家に戻った私たちはお夕飯を頂き、後片付けを手伝って、お風呂に入り、眠った。ただこの日一つ特筆しておくべきことといえば、夕方私たちが家に戻ると、おじいちゃんの祖母にあたる小さいおばあさんが仕事から帰ったとかで家にいた事、そして、おじいちゃんのお父さんである・・名前を忘れてしまったけど・・おじさんが家にいたことだった。

ちょっと整理しないと頭がこんがらがってしまうので、それはまた明日考えよう。そうそう、明日からいよいよ私はおじいちゃん・・・・京介くんの学校に通うことになっていた。ええい、今日はもう寝てしまおう。

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祖父恋 5・京介くん・・・

階段を駆け下りようとした時、私の体が宙に舞った気がした。次の瞬間、ドシンッ。いててててっ。お尻から下に落ちていた。

「おい、あんこ大丈夫か?」京介くんが心配して駆け下りて来た。そう、なぜかこの時から私の中でおじいちゃんは京介くんになっていたのです。

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祖父恋 4・宮田家の人々

「こんにちはぁ」私は勢いよく宮田家の玄関から上にあがり、奥の和室に入った。おじいちゃんはさっさと2階に上がってしまったようだった。

わあーーなんかレトロだわあ・・・。柱時計はまるで「大きなのっぽの古時計」だし、テレビには足が付いていた。畳の上には円いちゃぶ台っていうのかなあ・・・かなり大きめのものがあった。ものすごーく懐かしいようなこの部屋に見とれていると、女の子の声がした。

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祖父恋 3・可哀相な遠縁の娘!?

ちょっと、ポチったら・・・・なんとかしてよっ。連れてきたのはあんたでしょう?それにこの少年がおじいちゃん?

私の中でおしゃれなロマンスグレーの優しいおじいちゃんのイメージがガラガラと音を立てて崩れていくのがわかった。

ポチは困っている私の顔を見て、またなにやら呪文を唱えた。ワオーーン、ワオォーン・・・

・・ワウッ・・・ワウ・・キュンキュン・・・まるで人を恋しがっている時の吠え方みたいだった。

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祖父恋 2・君は誰なの?

 私はポチの言う通り、おじいちゃんの家の2階にある本がいっぱいの書斎に入った。ママや伯母さん達はみんなおじいちゃんの傍についているから誰も私たちに気付いた人はいなかった。

「あんず、いいですか?時空を超える時はきっとものすごくくすぐったいと感じますよ、大丈夫ですか?あんずはかなりくすぐったがりでしょう?」

「え?ポチ、そんなことまでよく知ってるね。そう、私ものすごくくすぐったがりだけど・・・ううーーーん、でもおじいちゃんにまた会えるなら・・・・我慢する」

「じゃあ・・・・・ちゃんとワタシにつかまってください」

って言うか、ポチの身体にはつかまれないっしょ・・・だって小さいんだもん。私がポチを抱っこする形になった。

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登場人物と時代設定について

 これから物語がちょこっとずつ、進んで行くと思いますが・・・・登場人物と時代設定についてほんの少しだけお話しておきたいと思います。これ、設定って言えるのかどうか・・・・。まあだいたいこんな感じっていうのを聞いてくだされば・・・嬉しいかな。

現代。平成21年6月30日。

 あんず17歳。高校2年生。ママ40歳。おじいちゃん65歳。

 ・おじいちゃんは昭和19年生まれ。

 ・あんずがポチとともにタイムスリップする時代・・・・昭和35年。おじいちゃん高校1年生  

 ・おじいちゃんの本名。宮田京介

 ・ママの旧姓。宮田すずね(昭和44年生まれ)

 ポチは魔法使い犬

 今回、急逝した大好きなおじいちゃんに会うべく、あんずは魔法使い犬のポチと一緒に時空を越えた旅に出る。

 掟(おきて)

・あんずは決して写真に写ってはならない。もし写真に写ってしまうと、もう現代に戻れなくなってしまう。

こんな感じで・・・・。

さあ、昭和35年、一体どんな時代なんでしょうか?私も知りません。お勉強しなくては。

推理、謎解き大歓迎!

ツッコミコメント、お待ちしています☆

ただし、何回も言ってるけど、初めてのファンタジーなので、何でもあり。反則技あり。ポチの魔法は底知れず・・・・。細かい事は気にしない~♪

魔法使い犬ってことが大前提ですので・・・・ね。この物語の中では魔法は存在するわけだ。うん、うん。まあ初回からポチしゃべってますし・・・・。

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祖父恋 1・なんで急に死んじゃったの?

 ママが泣いている。そりゃあそうか・・・おじいちゃんが急に亡くなちゃったんだもんね。でもついこの間まではあんなに元気だったじゃん。そう・・・本当についこの間までは・・・・。おじいちゃんはとっても面白くて、優しくて・・・お茶目で、私と一緒にアイスクリームをかじってくれるようなそんな人だったのに・・・。

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祖父恋(そふこい) 始まります!

自分のおじいちゃん、おばあちゃんの世代って一体どんな青春時代を過ごしてきたのかななんて思ったことはありませんか?私は結構おばあちゃんっ子だったので・・・・いつかそんなちょっぴり昔の話を書けたらいいなあと思っていました。今回、やっとちょっと浮かんできたのでそれを形にしたいと思います。この話も「ありえへーーーん」内容満載、妄想満載です。ちょっと楽しんでもらえたら嬉しいなあ。という訳で・・・よろしくお願いします!!

題名は「祖父恋(そふこい)」です。よろしくお願いします~☆

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